発見 ページ39
明るくなってから事件現場を調べれば痕跡はすぐに見つかった
斜面下に何かが滑り落ちた後、周囲の植物を踏み荒らして移動した痕跡…
俺はAを捜しに行くというコハクに半ば無理矢理ついてきた
明け方一時的に目を覚ましたゲンが途切れ途切れになりながらも必死に紡いだ言葉
ゲン『…A…ちゃ…ん……みつ…け…て…』
自分だって重傷にも関わらず、Aが行方知れずなのを知って真っ先に心配するなんて…
あんなん見てじっとしてられんのは、漢じゃねー！
クロム「おい、コハク！いたか？」
痕跡からして、いるはずの場所を捜しているがAはいまだ見つかっていない
コハク「いや、この辺のはずなんだが見当たらない。もしや犯人に攫われたか…！？」
クロム「な…！？やべーじゃねーか！」
最悪の予想が頭をよぎる中、何かが引っかかる…
周囲を見渡し、以前素材集めに来た時、足を滑らせて転倒した事を思い出した
たしかその時…
クロム「そうだ！この辺の岩場は横穴が多いんだ！」
コハク「横穴だと…？だが見た感じ横穴らしきものは見当たらないが…」
クロム「この辺りの横穴は足元近くの高さから広がってる！だから視線を低くしねーと気づかねーんだよ」
クロムは既に視線を低くし、横穴を覗き込みながら先に進む
コハク「なるほど、それならば話は早い！」
元々コハクは小柄だ
その上スピード重視と来ている
そんなコハクがAを見つけるのは時間の問題だった
コハク「いたぞ！」
コハクの声にクロムが走り寄り、横穴を覗き込む
そこには横穴で頭を抱えて蹲っていたAが、怯えた様子で顔を上げたところだった
クロム「ここにいたのか。良かった」
そう言って屈んで横穴に入ってくるクロムに、Aの表情が強ばる
クロムが手を差し伸べられる距離まで近づいたとき、Aは悲鳴を上げてクロムの頬をビンタしていた
叩かれた頬の痛みに呆然とするクロムを後目に、Aは矢継ぎ早に言葉を紡ぎ泣きじゃくった
A「いやぁぁぁー！！ごめんなさい。ごめんなさい。助けて、パパ、ママぁぁー！」
コハク「クロム、さがれ！何か変だ…。これは私達だけでは無理だな。千空を呼んでこよう」
言うが早いか、踵を返したコハクの手を掴んで止めたのは戻ってきたクロムだ
クロム「待て！ここは俺が行く」
コハク「私のが速いぞ」
クロム「速いとか関係ねー！こんな状態なんだ、女のお前が残った方が良いだろ」
コハクを説き伏せクロムは走り出した
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くらら(プロフ) - 星さん» ありがとうございます。コメント嬉しいです (2021年5月1日 9時) (
レス) id: 10bc412026 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2021年5月1日 7時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 風音さん» ありがとうございます。なかなか旅に出ないし進みが悪くてすみません。更新頑張ります (2021年3月3日 13時) (レス) id: 10bc412026 (このIDを非表示/違反報告)
風音(プロフ) - 関係性といいストーリーといい好きです！評価，お気に入り登録しました！更新頑張ってくださいね！応援してます！ (2021年3月3日 7時) (レス) id: 1d82dd420f (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 緋刃さん» ありがとうございます。なかなか更新が進まなくてすみません。今後もよろしくお願いします (2021年2月12日 3時) (レス) id: 10bc412026 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらら | 作成日時：2020年9月24日 3時
