六花の勇者【その花…徒花につき】 (ページ37)

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決着ページ37

アド「俺が偽物なら騙すより殺す方が確実だ。騙せる可能性は限りなく低いが、殺せる可能性はほぼ確実だった」

ハンス「.....ぐう」

アド「俺は本物だ。だからこそ、仲間であるお前を殺すわけにはいかなかった。それが答えだ。納得しろハンス！」

悔しそうに顔を歪めたハンスが、やがて諦めたように返事をした

ハンス「にゃあ。納得しただよ。おめえは本物の六花だ」

ハンスのその言葉に、アドレットは安堵したように体の力を抜いた
しかしその次の瞬間、アドレットとAはハンスの言葉に凍りつくことになった

ハンス「ここに残っていてよかっただよ。他の連中なら、説得されちまってた。惜しかっただなあ。おめえは本当に惜しかった」

アドレットは武器を拾おうと走り出す

ハンス「残念だったな！裏切り者はおらだ！」

だかハンスの方が当然早く、アドレットが武器を手に取った時、ハンスの剣は横になぎ払われ、アドレットの首を襲っていた

A「...っ...！」

Aは目を見開き、手で口元を押さえながら事の流れを見ていた

そしてアドレットは切られた首に手を伸ばし...
そこでハッ！と夢から覚めたように戸惑いハンスを見た

A「...死んで.....ない...？」

アドレットと同じくAも状況についていけず戸惑う

ハンス「人間は、言葉では嘘をつけるだよ。行動でも騙せるだ。目も声も表情も信用はできねえ。だがな、死に顔で嘘はつけねえ。死ぬ直前の顔には、どうしたって本心がでるだよ。おめえが偽物なら、そんな馬鹿なって顔をする。だがおめえは万事休す、って顔をしただ。どうやらおめえは偽物じゃねえようだべ」

アド「首...斬られたかと...」

ハンス「だろ？そう錯覚するように斬ったからよ。いつまでぼんやりしてるだ？さっさと着ろ。男の裸眺めてる趣味はねえだよ」

アドレットとハンスは『この先よろしく』と握手を交わし、Aの元に歩いて来た

ハンス「A、すまねえ。心配かけたな。おめえの声が聞こえただ」

A「...2度と.....心配させたら...許さないから.....」

アド「A、催涙弾は大丈夫だったか？」

A「大丈夫なわけないでしょ！あんなもの女の子に浴びせるなんて...酷いよ」

アド「悪かった。お前達があまりにも手強かったからな」

A「しかも何...。二人の戦い。見てるこっちが疲れる。もういや...」

アドレットやハンスよりもぐったりしたAが呆れたようにそう言った