血のハロウィン4 ページ10
隆｢おい...どうした？｣
状況がイマイチ飲み込めないAが
女性に話を聞こうと声をかけたタイミングで
騒ぎを聞き慌てて三ツ谷が現れた
それに続くように
東卍の幹部達も
何かあった時対応出来るように近くに待機する
その様子にいっそう視線を鋭くした女性が
怒ったように...でも悔しそうにAを睨む
｢その男があんたの王子様？のほほんとしちゃって、そうやって男に囲まれて守って貰ってんだ。けーすけもその1人って訳...｣
睨みつけてくる女性の視線が
毛を逆立てて威嚇してくる猫の様で...
『なんか...なかなか懐かない黒猫がいんだよなぁ...』
いつの日か呟いていた場地の一言を思い出したAは
ハッとしたように千冬を見る
あの時は
(場地さんに懐かない猫がいるなんて珍しいこともあるんだ)
なんて思ったものだが...
同じように考えたのか千冬も困惑した表情でAを見て
何も知らないというように首を横に降った
そうしている内に
女性は今にも泣きそうな表情で踵を返し走り去る
結局誤解は解けず終いで後味の悪い最後となってしまった
隆｢A、大丈夫か？｣
A｢うん。私は大丈夫｣
三ツ谷に手を引かれ寺の外れで
頬を冷やし手当を受ける
その後
葬儀の手伝いに向かった隆と入れ替わるように
武道と千冬が現れ困惑した様な表情で労われた
武道｢なんか災難でしたね｣
千冬｢Aさん、あの人...どう思います？｣
A｢どうもこうも、場地さんの黒猫ちゃんじゃないの...？｣
千冬｢いや、でも俺なんも聞いてないっすよ！｣
A｢ハッキリ言ってないだけじゃなくて？｣
千冬｢場地さんが俺に隠し事なんてするはずないです｣
A｢それは知らないけど...｣
武道｢千冬、なんかすげぇよ。やっぱお前｣
軽口を叩きながらも
どこか覇気のはい3人の会話は長続きしない
形だけの笑顔を取り繕い
乾いた笑いが響くその空間には
空虚な雰囲気で溢れていた
それでも傷の大元に触れることもできず
なんとなく当たり障りのない会話で現実逃避しながら
痛みを誤魔化し日々を生きていく
なぜこうなってしまったのか...
あの時こうしていればと
考えれば考えるほど後悔は増して
でも決して取り返しのつかない現実に
絶望感だけが募っていく
いつかこの傷も平気になるのだろうか
痛みに慣れることはあるのだろうか
今はまだ想像も出来ない未来に希望を託し
生きることに必死になるしかなかった
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くらら(プロフ) - 金成さん、りんごさん。お知らせありがとうございます。外したつもりになっていたようです。対応致しました。 (2023年2月28日 23時) (
レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 他の方も言ってますが､オリ‘フラ立ってますよ！ルール違反になるので､外したほうがいいですよ！ (2023年2月28日 17時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ/らたってますよ (2023年2月26日 21時) (レス) id: dca7301a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらら | 作成日時：2023年2月25日 3時
