あの日の悲劇�� ページ38
俯いていた顔を上げた三ツ谷は
Aの顔を見るなりハッとした様な表情をした後
自分の行動を嘲笑するかのようにため息をついた
隆｢よう...｣
絞り出された言葉や表情には疲れと諦めが滲んでいて
今にも立ち去りそうな三ツ谷に
Aは咄嗟に手を伸ばした
三ツ谷はその手を避けるように1歩下がり
Aの手は空をきる
一瞬気まずい沈黙が流れるが
何とか引き止めなければとAは言葉を紡ぐ
A｢さ、寒かったでしょ。お茶入れるね。あ！三ツ谷君ご飯は？買ってきたので悪いけどスーパーでお惣菜買ってきたの。もう新年も明けてしばらく経つのに街はまだお祭りムードだよね〜｣
急いで玄関を開け
話題か途切れないよう早口に
なるべく自然に聞こえるように極めて明るく話し続ける
それでも反応の芳しくない相手に不安が募る
A｢ねぇ...上がっていくでしょ？｣
最後の絞る出す様な言葉に
躊躇していた三ツ谷は遠慮がちに玄関を潜り中へ
その姿にAはやっと少しホッとした
素早く中に入り玄関の鍵を閉める
リビングの明かりをつけて適当に座ることを促し
熱いお茶を出し
その間に買ってきたお惣菜と作り置きの肉じゃがを温める
ご飯をよそって
後はお味噌汁でもあれば完璧なのに...と考えた所で
そういえば...と思い出し戸棚を漁る
あった
前に大寿に貰った少し良いインスタントのお味噌汁
賞味期限も大丈夫！
器に入れお湯を入れれば完璧なお味噌汁の完成だ
本当は手作り出来れば完璧だけど
今日は時間重視
温めたお惣菜は器に盛れば
それっぽい食卓をなんとか演出出来た
A｢ごめんね、三ツ谷君。買ってきたものが多いんだけど、是非食べて｣
隆｢いや、十分。いただきます｣
ほんの少し表情が和らいだ気がしてホッとする
食事が進むに連れ
当たり障りのない会話が増え安心すると共に
それでも目の奥に潜む悲しみが消えないのに
やり切れなさが募る
だけどそれを指摘したら最後な気がして
Aは必死に気付かないふりを続けた
幸せな時間はあっという間に過ぎ
夜も更けてきた
この時間がいつ終わってしまうのか
恐怖でソワソワしていると
案の定三ツ谷がそろそろと立ち上がりかける
その時...
玄関のチャイムが鳴った...
動きを止めり三ツ谷に
これ幸いと立ち上がるA
リビングのドアを開けながら
廊下の先にある玄関に｢はーい｣と声をかける
こんな時間に誰だろ？と首を傾げながら
廊下に出ようとしてフッと足を止める
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くらら(プロフ) - 金成さん、りんごさん。お知らせありがとうございます。外したつもりになっていたようです。対応致しました。 (2023年2月28日 23時) (
レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 他の方も言ってますが､オリ‘フラ立ってますよ！ルール違反になるので､外したほうがいいですよ！ (2023年2月28日 17時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ/らたってますよ (2023年2月26日 21時) (レス) id: dca7301a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらら | 作成日時：2023年2月25日 3時
