あの日の悲劇 ページ37
1月も中旬を過ぎ
新年の浮かれ具合も落ち着いてきた頃
車内で仕事をしていたAに社長が声をかけてきた
大寿｢お前今日はもう帰れ｣
A｢...は？でも...｣
仕事の手を止めチラッと見たのは
机に高く積まれた未処理の書類やデータ処理
そして隣の机では終わらない仕事から現実逃避するように
机に突っ伏す同僚
A｢そんな訳には...｣
大寿｢急ぎの仕事はねぇんだ。残りはそいつにやらせとけ。いいから、ほら、帰れ｣
指名された同僚はビクッと身体を揺らし
青い顔を覗かせる
何とか社長の横暴を止めようと試みるも
Aはさっさと大寿に会社から締め出されてしまった
A｢...はぁ｣
こうなった社長は止められない
なんだか分からないが同僚には明日差し入れを持ってこよう
辺りは既に暗くなり
街中には所々にイルミネーションが輝いている
楽しそうに行き交う人々を見て
なんだか1人取り残されたような感覚に陥りそうになり
切り替えるように頭を振った
確か家にご飯と作り置きの肉じゃががあったはず
帰り道にあるスーパーで
半額になったお惣菜を適当に購入し
今住んでいるマンションの入口をくぐる
マンションの階段を三階まで上がりながら
入居時大寿がオートロックどころか
エレベーターすらついてないマンションに
顔を顰めたのを思い出した
たかだか三階に住むのにエレベーターなんていらないし
オートロックなんて心配しすぎだ
そんなものにお金をかけるのなら
ルナ、マナちゃんと遊ぶ時の資金にしたいし
三ツ谷と縁が切れた後も
ルナ・マナとは姉妹の様に過ごしていた
実の姉とはぎこちないながらも
まぁまぁの関係を築けていると思う
もともと仲の悪い姉妹ではなかった
ただ当時若かった姉のキャパを越えさせてしまう程
私達には頼れるものも人もいなかっただけ
そんなことを考えながら階段を登りきり
踊り場から真っ直ぐ伸びるマンションの廊下に出たところで
自分の部屋の前に黒いスーツを来た男が
寄りかかっているのが見えた
一人暮らしの女の部屋の前に
目的もなくただ寄りかかって立つ男
それだけで警戒しても可笑しくない状況
だが不思議と警戒心は湧いてこず
引き寄せられるようにゆっくりと近づいていく
徐々に近づく距離
だんだんと疑念は確信へと変わっていく
同時に嬉しいのに信じられない気持ちが湧き上がる
そこにいたのは
ずっと会いたかったのに会えなかった
大好きな人...
A｢三ツ谷君...｣
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くらら(プロフ) - 金成さん、りんごさん。お知らせありがとうございます。外したつもりになっていたようです。対応致しました。 (2023年2月28日 23時) (
レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 他の方も言ってますが､オリ‘フラ立ってますよ！ルール違反になるので､外したほうがいいですよ！ (2023年2月28日 17時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ/らたってますよ (2023年2月26日 21時) (レス) id: dca7301a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらら | 作成日時：2023年2月25日 3時
