潰れたゲームセンター ページ3
悶々としたまま日々を過ごしていると
今まで無視を決め込んでいた場地さんからメールが来た
内容は簡素で
特に要件は書いていない
ただ住所のみが記載されていた
状況がよく分からないながら
とりあえず書いてある住所に向かうと
そこは潰れて立ち入り禁止の札が掛かった
ゲームセンターで…
中はシーンと静まり返り人の気配はない
だが中に散乱するゴミが
この場所が不良の溜まり場である事を物語っていた
…なんでこんな場所に…?
呼ばれた理由に検討もつかないAが
首を傾げていると
背後から肩を捕まれ後ろに引かれた
パッと振り返ると
そこには緊張した面持ちの武道が
怖い顔で立っていた
A「武道君…?」
キョトンとするAを
武道は強い力で引っ張り
その場から遠ざかる
A「え…ちょっと…。武道君?どうしたの?」
少し離れたところで
武道は勢いよく振り返り
まくし立てるように言った
武道「あそこは危ないんです!何でAさんあんなとこ。何かあったらどうすんですか!早く離れねぇと。そうだ、早くマイキー君に」
A「落ち着いて!武道君!!何があったか、落ち着いて教えてくれる?」
落ち着きのない武道をなだめ
なんとか状況を把握したAは
場地からのメールの意味を悟った
あぁ…本当に不器用なんだから
裏切った手前
かつての仲間達は頼れない
だけど自分にずっとついてきた可愛い部下を
最後まで無下に扱えなくて
苦肉の策として私を頼った
ホント…優しいなぁ…
A「武道君、心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ。あの中に壱番隊の副隊長が倒れてるんでしょ?私、行かなきゃ」
武道「ダメです!奴らがいたらどうするんすか!?」
A「大丈夫だよ。大丈夫」
心配する武道にAはただ静かにそう言って
潰れたゲームセンターの中に入っていった
だって場地さんが何の策もなく私を呼ぶわけないもの
多分スムーズに千冬君を回収できるよう
建物内は無人にしてくれているはず
乱雑とした室内にはやはり人の姿はなく
ただ顔の形が変わるまで殴られた千冬が
静かに横たわっていた
話を聞いていたとはいえ
あまりの酷い有様に息を飲む
とりあえず救急車に連絡し
Aは顔の傷を持っていたハンドタオルで押さえる
その瞬間
千冬から痛みに耐えるくぐもった声が漏れた
千冬「A…さ…カハッ…」
千冬の腫れ上がった唇から掠れた声が聞こえ咳込む
Aは千冬を励ましながら
救急車が来るのをただ待った
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くらら(プロフ) - 金成さん、りんごさん。お知らせありがとうございます。外したつもりになっていたようです。対応致しました。 (2023年2月28日 23時) (レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 他の方も言ってますが、オリ‘フラ立ってますよ!ルール違反になるので、外したほうがいいですよ! (2023年2月28日 17時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ/らたってますよ (2023年2月26日 21時) (レス) id: dca7301a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらら | 作成日時:2023年2月25日 3時