運命のその先へ3 ページ30
A「ちょ...止めてよ!?またこれ、本当に勘弁してよ」
大号泣する男を前に慌てる女という状況が
周りの人達の目にどう映るか
あらぬ憶測と誤解が産まれているだろう事は
想像にかたくない
もう小さい子を慰めるみたいに抱きしめて
ヨシヨシでもしてやろうか
半場ヤケになりながらAが頭を抱えると
背後から驚いたような男の声が聞こえた
三ツ谷「うわっ...お前ら何やってんだよ?修羅場か?外から丸見えだぞ」
戸惑いながら部屋に入ってきた三ツ谷は
外からの視線を遮るように扉を閉めて
荷造り途中だったAのベットへと近づき
持っていた大きめな紙袋と手荷物を置いた
武道「みづやぐん...!よがっだねぇぇぇー!Aさん、いぎででぇぇー!!」
ボロボロと大粒の涙を零しながら泣く武道が
なんと言っているのか分からないほど取り乱していて
三ツ谷も苦笑いしながら
まるで幼い子供の面倒を見るみたいに
ハンカチで武道の顔を拭ってやる
三ツ谷「タケミッチ、ちょっと落ち着け。お前何言ってっかわかんねーよ。とりあえず、ありがとうな。お前のお陰でドラケンもAも助かった」
結局大号泣する武道を落ち着けるのには
三ツ谷の力を持ってしても少し時間がかり
最終的にはヒナを召喚し
まだ鼻をすする武道を連れて帰ってもらった
荷物まとめを三ツ谷と2人で終わらせ
そういえば姉はいつ迎えに来てくれるのかと
確認のため携帯を開く
三ツ谷「あ、退院の迎えは俺な」
A「え?三ツ谷君がわざわざ?」
三ツ谷「おぅ。支払いは済ませたからってお前の姉さんから」
確かに姉が病院に来たのは
入院の手続きと意識のなかった初日だけで
意識が戻った後は1度もお見舞いに来てくれなかった
まさか退院のお迎えにも来てくれないとは...
分かっていたとはいえ落胆は隠しきれない
Aがため息をつけば
三ツ谷が困ったような表情で
Aの頭をポンポンと撫でてくれた
A「大丈夫だよ。だって皆お見舞いには来てくれたし、三ツ谷君は毎日来てくれたもん。全然寂しくなかったよ」
三ツ谷「当たり前だろ。あんな姿見せられて...生きてんのは当たり前じゃねぇって気付いたんだから。タケミッチにはあー言ったけど、本当に生きてて良かった」
急に優しく抱きしめられ
心からの安堵したかのような声を聞き
Aはキュッと胸が締め付けられた
A「心配かけてごめん」
三ツ谷「俺の方こそ守れなくて悪い。女のお前に消えない傷残して...」
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ち - 夢中で読んじゃいました!伏線の回収がすごい気がします!ストーリー性がはんぱないです! (12月19日 22時) (レス) @page28 id: 8589ec936d (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - れなさん» 最高に嬉しいコメントありがとうございます。自分なりに文章を試行錯誤中なので今後も書き方が変わっていくかもですが頑張って更新していきますね (2023年2月3日 14時) (レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高に好きです、、文才天才すぎます、、良ければ更新してもらえると嬉しいです!!完結までついていかせてください!! (2023年2月2日 19時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 麗さん» コメント+ご指摘ありがとうございます。読み返しているつもりなんですがやはりチェックミスが度々あってすみません。修正しましたので、また変換間違いがありましたら教えていただけると助かります。m(_ _)m (2023年1月26日 6時) (レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 初めまして、一気読み最中です。 なんだか細かい所を初コメでお伝えしてしまうのが大変申し訳ないのですが素敵な物語な分勿体無いなと思うのでお伝えさせていただきますね。35ページの希咲と半間が~の所、稀咲ではないでしょうか? (2023年1月25日 22時) (レス) @page35 id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらら | 作成日時:2022年11月11日 3時