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2BRO.Radioの発言に一人だけの夜道の中笑ってしまいそうになるのを、口をきつく噤んで耐えながら、まったりと歩いていた。

いつも通る道だ。特にこの時間は誰かとすれ違った試しがない。故にすぐ分かった。私の背後を、何者かがおぼつかない足取りでついてきている。

私は自然と歩きを速めた。生まれて初めて、誰かに後をつけられる恐怖を知る。それこそホラーなんかより余程の怖さだ。

?「…って、…待ってくださ…。」

掠れた声が背後から聞こえる。
こんなに弱々しい声を出すなんて、ひょっとして本当に幽霊の類か何かか、と冷や汗をかきはじめる。止まってはいけない気がした。

?「すけ…助け……て。」

ほら、これはホラーにおいてはテンプレートな言葉である。どうしたってそんな酷いいたずらを私に仕掛けようとしたのか、段々と恐怖ではなく、苛立ちが心を支配してきているが、関わるが負けと考えれば、振り向く事もせずに歩き続けた。

しかしその刹那、ドサリ、と重たい肉体がコンクリートへ倒れる音が聞こえた。勿論背後から。
もういい加減にしてくれ。貴方の手の込んだ脅かしは良く分かった。これ以上付きまとわないでくれ。そう告げるべく、ついに私は後ろを振り向く。

「…あの!いい加減に……え?」

赤い髪に赤い瞳。
記憶に新しい。
昨日も見た。

目の前には、苦しそうに呼吸をしながら地べたに倒れ込んだ弟者さんがいた。

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はるの(プロフ) - 小説お気に入り150ありがとうございます。まさかこんなにお気に入り登録して頂けるとは思ってもいませんでした…!今後も数ヶ月に一話増えるか増えないかのような亀ペースでは御座いますが、御付き合い頂けると幸いです。 (2020年2月28日 1時) (レス) id: 65fc1d4448 (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - また、今まで小説のページの一枠に私の個人的書き込みを加えるのに何となく抵抗がありましたが、今後の展開がはっきり定まっていない所を、出来れば皆さんに助力を頂きたい為、もしかすると小説の頁の一つに私自身からのお知らせという形で更新する時があると思います。 (2020年2月28日 0時) (レス) id: 65fc1d4448 (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - あさりさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!只今リアルがやや多忙な為、かなり間が空いていますし、多分また空くと思われますが、宜しければご覧になって頂けると幸いです。 (2019年12月17日 23時) (レス) id: 65fc1d4448 (このIDを非表示/違反報告)
あさり - ほんとにあの方々とおしりあったら、??というリアルな心境が描かれていて、のめり込むように一気読みしてしまいました!すんんごい面白かったです!続きが読める時をいつまでも待ちます!! (2019年8月13日 23時) (レス) id: 500eb03ae7 (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - そっと感想を、さん» ふわぁぁあ、嬉しいお言葉をありがとうございます…! (2019年7月29日 1時) (レス) id: 65fc1d4448 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるの | 作成日時:2019年6月30日 21時

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