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#16 ページ16

弟「無いよ、ないない。視覚も嗅覚も、特に影響無いね。」
兄「あーでも、そこのおっつんはトマト見せたら浄化するかもな。」
お「やめて!割とマジじゃん!」

私の質問にゲラゲラと笑いながらおついちさんへ視線を向ける兄弟。それに自分で自分を抱きしめ自衛するような姿勢になって声を荒らげるおついちさんの姿に、私も思わず笑ってしまう。

「じゃあ、日向とかって大丈夫なんですか?」
兄「あぁ、大好きって訳じゃないが問題ないな。」

へぇ、と関心的な返事を返す。

兄「でも、長く日向にいると、その分血も必要になったりしてな。」

他人事のように述べる態度に、それは本当なのかと顔を顰める。
そうなのであれば、日の長くなる夏の季節は大変辛いものであろう。
逆によく今まで何の問題もなく生活出来ていた
ものだと息をつく。

お「あー…、俺そろそろ編集作業しないと明日分動画出せないかもだから、ちょっと戻るわ。」
兄「あぁ、分かった。」

何だか急に再び実況者でもある事を思い知らされる発言に、立ち上がるおついちさんを呆然と見上げる。

お「ごめんね、Aさん。また今度。」
「は、はい…!」

優しく微笑みかけてくれる彼に、私は妙に気を張ってやや上ずった声で返事を返す。

兄「そういやAさんも明日とか用があるだろ?もう昼も過ぎてるし、家に帰った方が良いんじゃねぇの?」

確かに、私はこれ以上このおめかしも ろくに出来ていない姿をいつまでイケメン方に晒すつもりだろうか。
仕事の予定も確認しておきたいところだ。
そう考えると早く帰りたくもなってきた。

「そうですね…、すみません、今日は帰ります…!また今度お話をお願いします。」

私も椅子から立ち上がれば、弟者さんの部屋の方へ置き去りにしてしまった財布とスマホを取りに意味の無い歩幅の小走りをしていく。

弟「あ、もし良かったら、連絡先教えて貰っても良いかなあ?」

忘れている物が無いことを確認して部屋を出たところで言われた言葉に私はピタリと制止する。
まさか、寧ろそんな個人情報を私が手にしてしまって良いのか。彼らとプライベートに連絡を取れるようになると。

「はい、そちらが問題無いなら構わないのですが、電源切れちゃってて…。」
弟「あ、紙に電話番号とか、覚えてたらアドレス書いてくれればいいよ。ありがとう…!」

堅苦しい調子で言ってしまったが、弟者さんは嬉しそうに笑いかけて礼を述べる。


私は渡された適当な紙に、それを書き込んだ。

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はるの(プロフ) - 小説お気に入り150ありがとうございます。まさかこんなにお気に入り登録して頂けるとは思ってもいませんでした…!今後も数ヶ月に一話増えるか増えないかのような亀ペースでは御座いますが、御付き合い頂けると幸いです。 (2020年2月28日 1時) (レス) id: 65fc1d4448 (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - また、今まで小説のページの一枠に私の個人的書き込みを加えるのに何となく抵抗がありましたが、今後の展開がはっきり定まっていない所を、出来れば皆さんに助力を頂きたい為、もしかすると小説の頁の一つに私自身からのお知らせという形で更新する時があると思います。 (2020年2月28日 0時) (レス) id: 65fc1d4448 (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - あさりさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!只今リアルがやや多忙な為、かなり間が空いていますし、多分また空くと思われますが、宜しければご覧になって頂けると幸いです。 (2019年12月17日 23時) (レス) id: 65fc1d4448 (このIDを非表示/違反報告)
あさり - ほんとにあの方々とおしりあったら、??というリアルな心境が描かれていて、のめり込むように一気読みしてしまいました!すんんごい面白かったです!続きが読める時をいつまでも待ちます!! (2019年8月13日 23時) (レス) id: 500eb03ae7 (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - そっと感想を、さん» ふわぁぁあ、嬉しいお言葉をありがとうございます…! (2019年7月29日 1時) (レス) id: 65fc1d4448 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるの | 作成日時:2019年6月30日 21時

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