なな ページ9
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「あ……」
「なにか落ちたよ……これ……」
私のヘアゴムを拾って、驚いた表情をする憂太。
「懐かしい?」
「うん、まだ使ってくれてたんだなって。」
「当たり前じゃん。 憂太が初めて私にくれたものだから。」
1年の時、憂太と付き合い初めて間もない頃に初めて贈られたプレゼント。
嬉しくて毎日付けていたけど、どうやら今日の戦闘で限界を迎えたらしい。
「気に入ってたんだけどなぁ…」
「……同じものはさすがに無いかもしれないけど、また新しいものプレゼントさせて?
ほら、ここ渋谷だし今から買いに行こう」
今度は私の手を引いて、憂太が街中へと足を運ぶ。
アクセサリーが売っている雑貨屋に来た私達は、ヘアゴムのコーナーを眺めている。
「あ、これ可愛い…」
しばらく気に入るものを探していると、どことなく前使っていたものにデザインが似ているものがあり、目を惹かれる。
「それにする?」
手に取って見ていると、憂太が覗き込んで聞いてくる。
「うん、これにする。」
初めて貰った物が壊れたのはショックだったけど、思い出の物が増えたのは嬉しかった。
まぁ、五条先生が任務行かせてくれたからこうなってるんだし少しは感謝しといてあげよう。
買い物を終えると、もう帰る時間が迫っていた。
満員電車で人に揉まれながら、寮へ帰る。
共有スペースにはだれもおらず、私の「ただいま」という声だけが響いた。
「誰もいない…」
「A、ここ座って。」
そう言って指された場所はソファだった。
私は言われるがままに座ると、憂太はその背後に回る。
「僕が結んでいい? Aの髪。」
私の長い髪を優しく撫でて、指を通す。
なんか…憂太、帰ってきてから私に甘い気がする…
いや、前から優しかったけど、とてつもなく甘やかされている気がする…
私は何も言わず黙って頷くと、憂太な髪をひとつに纏めて縛っていく。
「アクセサリーとか他の男から貰わないでね。」
「え? くれる人もいないし、こんなの憂太だけだよ。」
「うん、それならいいんだ。…………出来た、可愛い」
「ありがと、憂太」
私は持ち歩いてた鏡で確認すると、後ろにいた憂太が私の頭にちゅっとキスをする姿が写った。
「!?」
「ごめんね、したくなっちゃった」
私が顔真っ赤にして勢いよく振り向くと、彼は嬉しそうに笑っていた。
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むぎ(プロフ) - ころはな。さん» ひぃえ……嬉しいです……🥺 亀更新で申し訳ないです…更新までもう少しお待ちくださいね!! (2022年1月3日 17時) (レス) id: 2d91872550 (このIDを非表示/違反報告)
ころはな。(プロフ) - 乙骨くんが可愛くて仕方ない……。家族の目の前で「ひぃぁぁぁぁ、、」って変な声出しながら読んでたら家族に変な目で見られちゃいました笑更新頑張ってください!もっと沢山のキュンキュンできる話お待ちしております☆ (2022年1月3日 16時) (レス) @page9 id: 55f7429373 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - 夜四季 星羅さん» ありがとうございます!完結に向けて頑張ります👍 (2021年12月26日 0時) (レス) id: 2d91872550 (このIDを非表示/違反報告)
夜四季 星羅(プロフ) - か,かわいい!応援しています! (2021年12月26日 0時) (レス) id: 24f70973da (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - 桃さん» ありがとうございます🥺🥺 更新亀なみに遅いですがお待ち頂けると嬉しいです😌 (2021年12月11日 11時) (レス) id: 2d91872550 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年12月6日 23時