109.夏の気の迷い(ロンジュンside) ページ9
その日はニュースになる程暑い夏で、そんな日に限って朝起きた時から気怠さを感じていた。
俺たちはこれからのカムバックに向けて新曲の練習をしていた。
朝からぶっ通しで練習した後に15分の休憩が入って、俺は止まらない汗と喉の渇きで飲み物を買いに行こうとした。
「ロンジュナ、大丈夫？お前今日顔色悪くない？」
ヘチャンが心配そうに俺の顔を覗き込んで言う。こういう時に直ぐ気づくのはヘチャンだ。
「大丈夫。少し寝不足なだけだから、水買って少し休憩する」
「おん。なんかあったら電話しろよ」
ヘチャンの言葉に答える代わりに手を上げて練習室を出る。練習室の外は少しだけ暑くて頭がクラクラとした。
自動販売機があるのは少し離れた先の廊下だ。重い体を引きずるように前に進めていたけど、急に目の前がチカチカとして思わず膝をのそばについた。
やばい、何だこれ。俺どうしたんだ。
「ロンジュンさん？大丈夫ですか？」
誰かが俺の名前を呼ぶけど。酷く頭が痛くて回らない。
壁を伝って立ちあがろうとするも、手に力が入らない。
そこに居る誰かが俺の肩を組んで支えてくれた。
「立てますか？ここは熱いので移動しましょう」
俺は言われるがまま引きずられるように近くの部屋に入った。部屋は冷房が効いていて涼しかった。
「横になっててください」
誰かは俺を床にゆっくりと下ろすと、バタバタとどこかに行ってしまった。
涼しい部屋の中でぼんやりと天井を見上げていると、先程までチカチカしていた視界が段々とクリアになってきた。
「首元少し触りますね」
そう言われると同時に首元に濡れたタオルが当てられた。冷たい水で濡らしてきてくれたのか気持ちがいい。
「水は飲めそうですか？」
視線を横にずらせば生意気で苦手な女が俺の顔を心配そうに覗き込んでいた。
いつもの俺なら悪態でもついていたところだが、流石にここまでしてくれる相手に何か言うことはできなかった。
彼女の問いに頷くと、彼女が俺の体を支えてゆっくりと起こしてくれた。
俺の腕を掴んでくれる彼女の手が冷たくて気持ちよかった。
「悪い」
俺は彼女が差し出したペットボトルをつかんで水を飲む。
「オッパと一緒に練習してたんですか？」
頭がズキズキと割れるように痛くて、彼女の質問にただ頷いた。
彼女は俺の返答を見て直ぐに電話をかけた。
「あ、オッパ？4階の練習室これる？ロンジュンさんが熱中症で体調悪くなっちゃったみたいなの。うん。そう」
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アットゥゴな鯛焼き(プロフ) - 卯年さん» コメントありがとうございます！ファンなんて恐れ多いです！これからもヘチャンと主人公のシスコンブラコンぶりを書いていこうと思うので時間がある時に見にきてくださると嬉しいです(^^) (8月16日 1時) (
レス) id: cde0f29250 (このIDを非表示/違反報告)
卯年(プロフ) - こんにちは、いつも楽しく読ませていただいています。大ファンです！ ヘチャンと主人公とのラブラブぶり？に微笑ましくなりつつ、キュンキュンしつつ、主人公の成長を見守ってます。これからも応援しています。 (7月27日 17時) (レス) id: a62967e81b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷもんぱん | 作成日時：2023年6月19日 1時
