104.笑わなくても大丈夫（ナ・ジェミンside） ページ4
「げ、何でここいるの」
前から聞こえた声に顔を上げるとロンジュンが戻って来たようで、Aを見て不満そうな声を上げた。Aを見ると落ち着いた反応をしているので、いつの間にか二人は会った事があるようだった。
「俺が呼んだんだよ。ね、A」
「あ、はい」
「ふーん、仲良いの？」
「うん♡」「いいえ」
ロンジュナがメンバー以外にここまで素な態度で接するのも珍しいなとは思ったけど、俺は気にせずAに話をふった。
ロンジュナは俺とAの返答の違いに困惑していたけど、突っ込むのも面倒に思ったようで話を続けた。
「まあ、どうでもいいけど。一応、1位とったことはおめでとうって言っておく」
「ありがとうございます」
「お前、意外と歌上手いんだな。俺に比べたら下手だけど」
ロンジュナが不器用な調子でAを褒める。俺が聞く限りはイラッとしかしなかったけど、Aは何かがツボにハマったのか可笑しそうに笑った。
「は？何笑ってんの、お前」
「いや、貶しつつも褒めてくれるんだなって」
「馬鹿にしてる？」
「してません。ありがとうございます」
ロンジュナはAの返答に不満そうに口横に米をつけながら睨んでいた。だけど、その姿もウケたようで、Aは手で口元を隠すようにしながら控えめに笑っていた。
それは俺が一番見たかった笑顔で「あー、嫌だな」と思った。
その笑顔が誰かの為に向けられてほしくないし、その笑顔が自分じゃない誰かの行動で起こったという事が嫌だった。何でもっと前から側にいた俺じゃなくて、ロンジュナがAの笑顔をするんだろ。
考えれば考えるほど面白くなくて、俺はAの手を握った。
俺の行動にAは驚いて俺を見上げた。頭の中で、俺だけを見ててよって想いながら見返した。
Aは困惑したように目を逸らすと慌てて俺の手を振り解こうとした。俺は今度はAの手を恋人がするように握ってみた。
Aはロンジュンに顔が見られないように顔を伏せた。顔が真っ赤で見られたらバレるからだろう。髪から少しだけ覗く耳がりんごみたいに赤くなっていた。
ねえ、そうやって俺の前で笑わなくてもいいけど、怒るのも、泣くのも、顔を赤くするのも、驚いた表情も、切なそうな表情も、俺だけに見せる表情がもっとあるよね？
俺はAに色んな表情をさせる自信があるよ？
だから、大丈夫。
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アットゥゴな鯛焼き(プロフ) - 卯年さん» コメントありがとうございます！ファンなんて恐れ多いです！これからもヘチャンと主人公のシスコンブラコンぶりを書いていこうと思うので時間がある時に見にきてくださると嬉しいです(^^) (8月16日 1時) (
レス) id: cde0f29250 (このIDを非表示/違反報告)
卯年(プロフ) - こんにちは、いつも楽しく読ませていただいています。大ファンです！ ヘチャンと主人公とのラブラブぶり？に微笑ましくなりつつ、キュンキュンしつつ、主人公の成長を見守ってます。これからも応援しています。 (7月27日 17時) (レス) id: a62967e81b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷもんぱん | 作成日時：2023年6月19日 1時
