127.ナナアメリカーノ ページ27
「俺ね、今度ドラマに出ることになったの」
そういうとジェミンが台本を見せてきた。表紙にはドラマのタイトルであろう文字が載っている。普段ドラマを見ないので、どんな内容か想像もつかなかった。でも、アイドルがドラマに抜擢されるのが凄いことだと言うのはわかる。
「え、すごいですね！」
確かにナ・ジェミンは誰が見ても綺麗な顔をしているし、声も低くて良い声だから俳優としても活躍ができそうだ。
「そう？」
「すごいですよ。アイドルが抜擢されるってことは、製作陣も採用したアイドルが話題になるって期待して話を持ってきたに決まっていますし」
「ありがとう」
ナ・ジェミンはそういうと本当に嬉しそうに笑顔を浮かべた。純度100%の笑顔に私はすこし動揺して目を逸らす。
今まで怪しい笑顔とか何か企んでそうな笑顔ばっかり見て来たから、こんな純粋に喜んでいるところを見ると別人じゃないかとさえ思う。
「それでね、Aには俺の手伝いをしてほしいの」
「手伝い？」
「そう、手伝い」
そう言うとジェミンさんが台本をペラペラとめくる。私は慌てて台本を閉じた。
「ちょ、ダメですよ。私が見ていいものじゃないですよ。まだ世に出てないものなんでしょ」
「何？Aは俺が第三者に台本を見せびらかしていたって言いふらすの？」
「そんなことするわけないじゃないですか！」
そんなことしたらナ・ジェミンのファンに八つ裂きにされそうだ。私は自分が大勢の女の子に囲まれることを想像して体を震わせた。
「うん。そうでしょ。俺は信用してなかったら、Aに見せてないよ」
さらりとそんなこと言うから驚いた。でもナ・ジェミンは何でもないことのような顔をすると再度台本のページをめくって私に見せた。
「俺の練習に付き合ってくれる？会社で先生と練習してるのに何回もダメ出しされるの」
「ナ・ジェミンでも苦手なことあるんだ……」
「俺のことサイボーグか何かだと思ってる？ていうか、そろそろ俺のことジェミンさんでもナ・ジェミンでもなくて、普通にジェミンって呼んでくれない？」
「それで、練習したいとこはどこからですか？」
私は必死に誤魔化そうと台本のページをペラペラとめくった。
隣からは凄い圧を感じるけど、視線をよこしてしまったら最後私は言い負かされてしまう気がした。
私が頑なに誤魔化そうとしているのをジェミンさんは察したのか、ため息をつくと、私より大きな手が台本のページをめくった。
続く (更新停止中)
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アットゥゴな鯛焼き(プロフ) - 卯年さん» コメントありがとうございます！ファンなんて恐れ多いです！これからもヘチャンと主人公のシスコンブラコンぶりを書いていこうと思うので時間がある時に見にきてくださると嬉しいです(^^) (8月16日 1時) (
レス) id: cde0f29250 (このIDを非表示/違反報告)
卯年(プロフ) - こんにちは、いつも楽しく読ませていただいています。大ファンです！ ヘチャンと主人公とのラブラブぶり？に微笑ましくなりつつ、キュンキュンしつつ、主人公の成長を見守ってます。これからも応援しています。 (7月27日 17時) (レス) id: a62967e81b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷもんぱん | 作成日時：2023年6月19日 1時
