126.ナナアメリカーノ ページ26
「コーヒーも美味しいよ？ナナアメリカーノっていうの」
「へえ。特製ブランドとかなんですか？」
「うん。飲めばわかるよ」
私は促されるままにコーヒーを口に運んだ。
そして秒で咽せた。
苦い。苦すぎて舌がおかしくなったのかと思った。
「美味しいでしょ？ナナアメリカーノはエスプレッソだけを7ショット入れた特製のコーヒーなの」
エスプレッソだけを7ショット……！？
それってアメリカーノじゃないよ。
なんかナ・ジェミンに結構好かれているのかと勘違いしていたけど、自惚れるなボケ。お前なんて大嫌いだよというメッセージが込められているのかもしれない。
やっぱりイケメンって何考えてるか分からなすぎて怖いわ。
私は震える手でそっとマグカップを置いて、目の前のホットサンドに集中することにした。
「Aは今日はスケジュールか何か入っているの？」
「はい。今日はダンスとボーカルの練習があるので7時半には出ようかと思ってます」
「それにしては早起きだね？」
「今日はたまたま目が覚めちゃって」
「あー、あるよね。いつも寝てるとこじゃないと、特にね」
ナ・ジェミンが私の話に相槌をうちながらコーヒーを啜る。
ナ・ジェミンが飲んでいるのも漆黒の闇に見えるが、まさか同じものなのだろうか。いや、まさかね。
人類が平然と飲めるような苦さではなかったもんね。
「じゃあ、出るまで時間空いてるの？」
「そうですね。空いてると言えば空いてますね。あ、キッチンの片付け手伝います」
「んー、俺はそれよりも少し俺の時間に付き合ってほしいかな」
「え？時間ですか？」
「そう♡Aの時間を俺にちょうだい」
ナ・ジェミンが首を傾げて私に愛嬌するように言う。
美味しいホットサンドくれたり、そうかと思えばとんでもなく苦いコーヒー入れたり、でも愛嬌してきたり、ジェミンさんは謎が多い。
でも、餌付けされてしまった私は真正面から彼の答えに断れるほどメンタルが強くなかった。
「ええと、少しだけなら大丈夫だと思います……」
「Aならそう言うと思った」
満足そうに笑うナ・ジェミンに、私は彼の手の上で踊らされているような気がしてならなかった。
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アットゥゴな鯛焼き(プロフ) - 卯年さん» コメントありがとうございます！ファンなんて恐れ多いです！これからもヘチャンと主人公のシスコンブラコンぶりを書いていこうと思うので時間がある時に見にきてくださると嬉しいです(^^) (8月16日 1時) (
レス) id: cde0f29250 (このIDを非表示/違反報告)
卯年(プロフ) - こんにちは、いつも楽しく読ませていただいています。大ファンです！ ヘチャンと主人公とのラブラブぶり？に微笑ましくなりつつ、キュンキュンしつつ、主人公の成長を見守ってます。これからも応援しています。 (7月27日 17時) (レス) id: a62967e81b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷもんぱん | 作成日時：2023年6月19日 1時
