116.危機(ヘチャンside) ページ16
頑なに俺を帰らせようとするAを、俺は黙らせて布団に入れさせた。
子供にやるみたいに何度もAの頭を撫でてやると先程泣いて疲れたのもあったせいか目元をとろんとさせて俺をみた。
「オッパ。ありがとう、私のそばにいてくれて」
「別に。これくらい普通だって」
「リアが事故にあったってきいて、凄い不安で仕方ないの。オッパがオッパじゃなくなった時くらいに胸が締め付けられて、不安で何も考えられなくなったの。だから、余計にオッパが側にいてくれて安心する。リアもきっと戻ってきてくれるよね？」
Aの言葉に俺は胸がいっぱいになって言葉が出てこなくなった。言いたいことは沢山あるはずなのに、言葉を発したら俺まで泣いてしまいそうだった。
「大丈夫だって。リアさんがAのこと好きなのは俺でも分かってるくらいなんだから、すぐに戻ってきてくれるよ」
「うん」
Aは俺の言葉を聞くとぽろぽろと目の端から涙を流してゆっくりと目を閉じた。
「どんちゃん、お願いだから、もう私のこと見放さないでね。どんちゃんと違ってダメな妹だって分かってるけど、私はどんちゃんが永遠に憧れなんだ。」
「お前のこと見放したことなんて一度もないよ。もう二度と昔お前に言ったような事も言わない。Aはずっと俺の大切な妹で俺の片割れだから。お前が居ないと俺は俺じゃなくなる。俺の言ってること、分かるだろ？」
Aの頭を撫でながら言い聞かせるように言う。Aはゆっくりと頷き、しばらくすると寝息を立て始めた。
俺は名前の頬に伝っている涙の跡を拭うと、Aのおでこにぽっぽをした。
「二度とAから離れるかよ」
Aが起きないように、自分に言い聞かせるように呟いた。
帰ろうと立ち上がると、ベッド横にあるくまと白くまの人形に気がついた。
あれは俺たちが小さい頃に両親に買ってもらった人形だ。
まさか、名前がもってたとは思わなくて胸いっぱいに嬉しい気持ちが広がった。
この小さくて可愛い妹をずっと守ってやろうと俺は誓った。
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アットゥゴな鯛焼き(プロフ) - 卯年さん» コメントありがとうございます！ファンなんて恐れ多いです！これからもヘチャンと主人公のシスコンブラコンぶりを書いていこうと思うので時間がある時に見にきてくださると嬉しいです(^^) (8月16日 1時) (
レス) id: cde0f29250 (このIDを非表示/違反報告)
卯年(プロフ) - こんにちは、いつも楽しく読ませていただいています。大ファンです！ ヘチャンと主人公とのラブラブぶり？に微笑ましくなりつつ、キュンキュンしつつ、主人公の成長を見守ってます。これからも応援しています。 (7月27日 17時) (レス) id: a62967e81b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷもんぱん | 作成日時：2023年6月19日 1時
