115.危機(ヘチャンside) ページ15
「あいご。うりAは髪もちゃんとふけてないじゃん」
俺はAを茶化すようにAの肩に掛かったタオルで髪を拭いてやる。いつもなら悪態でも着いて手を払ってきそうなものだが、Aは大人しく俺のされるがままになっていた。
「子供扱いしないでよ」
俺のいつも通りの対応に少し安心したのかAは反抗するように声を上げた。
「本当のことだろ。ドライヤーはどこにあんの？俺が乾かしてあげる。」
「ん、部屋にある。こっち」
そういうと、Aは俺を自室に案内した。
どうやら、Aとリアさんの部屋は別室のようで俺は心の底からホッとした。
俺がAからドライヤーを受け取りコンセントに刺すと、Aはどうしようか戸惑ったような顔で此方を見ていた。まるで俺がこの部屋の住人みたいだなと可笑しくなって笑ってしまった。
「ほら、ここ座って」
俺は近くのベッドに腰を下ろして、足の間にAを触らせた。久しぶりに見る背中は華奢にみえて、Aが女の子から女性になっているんだと実感した。
ドライヤーの電源をつけてAの髪に手を通しながら乾かしていく、シャンプーのいい香りが鼻をくすぐって、さらさらと指の間を髪が通っていった。
後ろからこっそりAの顔を伺うと気持ちよさそうに目を瞑っていた。先程から子犬みたいなAにずっとこうやって俺に甘えてくれれば良いのになと愛おしく思った。
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暫くして髪が乾くと俺はドライヤーの電源を落とした。
「A、眠れそう？」
「うん。ありがとう、オッパ。仕事中だったのに今日はごめんね」
「謝るなよ。これぐらい当たり前だろ」
「うん。ありがとう」
Aが笑うけど、その笑顔は無理して笑っているのがバレバレで相変わらず分かりやすいのは子供の時から変わってないなと思った。
「ほら、ベッド入って。お前が寝るまで側に居てやるから」
「え、いいよ。オッパ明日も仕事だよね？私はもう一人で大丈夫だから」
「別に。今にもA寝そうに目が溶けてるから、少しくらい大丈夫。それにここオートロックだろ。お前が寝たら勝手に帰るから」
「え、でも電車とか時間無くなっちゃうよ」
「俺の宿舎ここから歩いて20分くらいの場所」
「え！本当に？嘘でしょ」
「俺もそう思った」
Aの反応に俺が笑うと俺が言った事が本当だと分かったようで、Aが少しだけホッとしたような顔になった。
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アットゥゴな鯛焼き(プロフ) - 卯年さん» コメントありがとうございます！ファンなんて恐れ多いです！これからもヘチャンと主人公のシスコンブラコンぶりを書いていこうと思うので時間がある時に見にきてくださると嬉しいです(^^) (8月16日 1時) (
レス) id: cde0f29250 (このIDを非表示/違反報告)
卯年(プロフ) - こんにちは、いつも楽しく読ませていただいています。大ファンです！ ヘチャンと主人公とのラブラブぶり？に微笑ましくなりつつ、キュンキュンしつつ、主人公の成長を見守ってます。これからも応援しています。 (7月27日 17時) (レス) id: a62967e81b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷもんぱん | 作成日時：2023年6月19日 1時
