114.危機(ヘチャンside) ページ14
俺はタクシーを呼ぶとAと一緒に乗り込んだ。
車に乗るとAは運転手に自分の宿舎の住所を告げたが、以前に妹に聞いたとおり俺の宿舎と本当に近い場所で驚いた。
Aから住所を聞いて運転手がゆっくりと発進させる。車の中にはシンとした空気が広がっていた。
窓から見える流れる景色からAの方へ視線を移すと、Aは涙を堪えるように下唇を噛んでいた。
その姿に胸が苦しくなって、出来るなら俺が悲しみも苦しみも変わってあげられたらいいのにと思った。
しかし、そんなことは出来ないから俺はAの肩を引いて俺の肩にAの頭を乗せた。
「うん？何、どうしたの、オッパ」
Aがうるうると今にも涙が溢れそうな目で俺を見上げる。何で俺の前で我慢しようとするんだと胸が余計に苦しくなった。
「お前のブサイクな泣き顔なんて見慣れてるから。オッパの前では我慢なんてするな。」
Aの頭を撫でて俺の肩口に寄せた。Aは俺の言葉を聞くと肩を揺らして声を漏らすように泣いた。
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Aの宿舎に送り届けたら帰ろうかと思っていたが、Aが余りにも不安そうな顔で宿舎の前に立っていたので、俺はもう少しAと一緒にいることにした。
「ほら、一日働いて疲れてるだろうから早く寝れるようにシャワー浴びてきな」
「でもオッパは？」
「俺はここで待ってるから。早く行ってこい」
「……うん」
Aは大人しく俺の言うことに頷くと浴室に向かった。俺は妹といえどリアさんも暮らしている宿舎に入っている事に何となく罪悪感を覚え控えめにリビングのソファの端へ腰を下ろした。
手持ち無沙汰なので携帯を見るとマクヒョンから連絡が入っていた。どうやら、同室のジャニヒョンやテヨンヒョンにも事情を伝えてくれていたようだ。
俺はAの精神状態が不安定そうだから、もう少し側にいる事、宿舎が近くなので何かあったら直ぐそっちへ戻る事を伝えた。
マクヒョンは深く聞いてこず「分かった。ヒョン達にも伝えておくよ。気をつけて帰ってこい」とだけ返してくれた。
マクヒョンのこういう男前な優しさは本当に頼りになる。
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リビングの扉が開く音がすると、パジャマ姿のAが髪を濡らした状態で入ってきた。肩にはタオルが掛けられているものの髪先からはポタポタと水が滴っている。
Aの顔はまだ不安そうで捨てられた子犬みたいだ。
シャワーを浴びたら落ち着くかもしれないと思ったが、これは重症そうだ。
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アットゥゴな鯛焼き(プロフ) - 卯年さん» コメントありがとうございます！ファンなんて恐れ多いです！これからもヘチャンと主人公のシスコンブラコンぶりを書いていこうと思うので時間がある時に見にきてくださると嬉しいです(^^) (8月16日 1時) (
レス) id: cde0f29250 (このIDを非表示/違反報告)
卯年(プロフ) - こんにちは、いつも楽しく読ませていただいています。大ファンです！ ヘチャンと主人公とのラブラブぶり？に微笑ましくなりつつ、キュンキュンしつつ、主人公の成長を見守ってます。これからも応援しています。 (7月27日 17時) (レス) id: a62967e81b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷもんぱん | 作成日時：2023年6月19日 1時
