空から絵描きが降ってきた【th】 (ページ27)

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「え…何してるんですか……」

『これひつようですからぁ』

ソファに座らされたかと思えば、別の部屋に消えていったテヒョンさんは、数分後ホワイトボードをゴロゴロと引きずりながら帰ってきた。

高級感のあるリビングに無機質な白のこれは大変ミスマッチだ。

横のお友達は少し困った顔で笑っているだけ。

あ、日常茶飯事な感じですか？

困惑を浮かべる私は見えていないのか、何やら文字を書き始めた。

可愛らしいひらがなで「そらからてんしがおちてきた」

空から天使が落ちてきた。

おや、これは説明会始まっちゃう感じ？

お友達さんに空から天使が落ちてきたと称して私の犯罪を吐露する感じ…？？

最悪の結果を考えながら冷や汗を浮かべて横を伺う。

彼の表情も少しずつ疑念に染まっていくのが見て取れた。

『あーまじゅ、ぼくとAちゃんがどうやってあったのか、せちゅめいします。ジミンしぃ、じゅんびいいですか』

『じゅんびオケイ！』

彼は言語を日本語・韓国語、時に(これは何故か分からないが)英語を器用に混ぜて事を説明していった。

後半お友達、ジミンさんかな…？が真剣な顔つきになったから、彼も本格的に説明しようとしたのか韓国語合戦が始まった。

アニョハセヨしかわからないと言っても過言じゃない語学力の私は、完全に蚊帳の外となった。

数分後、掛け合いが一旦落ち着いて、ジミンさんの顔が諦めたような納得したような、元の穏やかさを取り戻した。

「あ、終わりましたか…？あの…私全然出ていきます…けど」

と腰を上げて玄関を指す。いやなんでそんな上からみたいな言い方になったんだ。伝わらないからって言葉には気をつけろ〜A。

そう伝えると少し考え込むような仕草をした彼。

その後無言でこっちをじーーっと見つめてふとこう言った。

『あーーAは出ていかないです。ぼくがでていきます』

私が出ていくと告げたら逆に出ていくという変な主。なんか呼び方変わってるし。

「え、ほんとに出ていくんですか？ちょっと待ってくださいよ！」

ジミンさんも困った顔でをテヒョナーと呼びかけている。

私達の声には何も返さず数秒後にオートロックの音だけが静まった空間に響いた。

…………まじか。

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