先生(３) ページ13
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先生はそんな私をよそに、ボールペンを持ってゆっくりと近づいてきて、そして優しく微笑む。
「手、かして？」
「‥‥手、ですか？」
ウンウン、と頷く先生
なんだろうと思いながらも左手を差し出すと、私よりだいぶ大きな先生の手が私の手首を掴む。えっ、と思う暇もなく、カチャカチャとボールペンの音がして次の瞬間にはその手の甲に赤色の花丸マークが完成した。
「‥せんせ」
「よくできましたのマーク！」
先生は目尻に皺を寄せながらそう言って、ふわっと手首を離した。まだ先生の体温が残ってる私の手首は生きてるみたいにそこだけ熱い。
こんなこと‥特別じゃないって、鈴木先生だし、生徒みんなにフレンドリーだし‥って言い聞かせても言い聞かせても嬉しかった。
「またお願いするかも、Aは仕事できる子だねえ」
「！！‥‥いつでもお受けします」
‥‥そうだった、先生は基本的にみんなのこと下の名前で呼ぶんだ。突然の「A」呼びに思わずビクッとしてしまうけど、知られてはいけない、と平常心を装った。
それからというもの、先生はなにかあると必ず「A」と私の名前を呼んで準備室に連れてきてくれるようになった。クラスの女子は最初こそ、「Aなにしたの？！」とか「ずるいよぉ！」とか騒ぎまくっていたけど、もう今では「またか‥」って感じのテンションで、鈴木先生といったらA、みたいな雰囲気になっているのに正直私は喜びを隠せなかった。
今日もまた「A」と雑用を頼まれて準備室に向かう。
授業で使った本を運ぶっていう簡単なお仕事だけどそれでも必要としてくれてるのが嬉しかったし、私を選んでくれるのが嬉しかった。
だけどやっぱりなんで毎回私なんだろう‥って気になって本を戻しながらなんとなく先生に聞いてみる。
「せんせ、‥‥なんでいつも私なんですか？」
「んー‥‥？なんでって、ヤなの？」
「やじゃないよ？だけどなんでかなあって‥‥」
パソコンをカタカタしながら「なんでだろーなあ‥‥」なんて、私との会話に脳みそ３パーセントくらいしか使ってないんだろうなって返事がかえってくる。だけど、その次に続いた言葉に私はたまらなくきゅううんとしてしまうのだった。
「なんでかわかんないけど、Aがいいってだけ」
一瞬だけこちらに視線を移して、たまらなく優しく笑いながらそんなことをいう先生がカッコ良すぎて私は息を呑んでしまうほどだった。
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みく(プロフ) - 05410さん» ご返信ありがとうございます！そしてそして更新もありがとうございます♡！！！ここ最近で1番テンション上がりました（笑）楽しみすぎて逆にまだ読めていませんが大切に読ませて頂きます！！！これからもご自身のペースで無理はなさらず！！応援しています♡ (2022年10月7日 16時) (
レス) id: 664af2be8c (このIDを非表示/違反報告)
05410(プロフ) - みくさん» コメント有難うございます！♡なんと、私もいちごみるくのひゅうが君視点書けたらいいなぁと思い下書き進めていたのでビックリしました！！ちょっと長いですが、更新しましたので是非楽しんでくだされば嬉しいです♡これからもよろしくお願いします！♡ (2022年10月6日 14時) (レス) id: 40ea45267b (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 主さんのお話どれもどれも最高です！！「いちごみるく」本当に本当に好きで、もし機会があったらその後のお話とか、ひゅうがくん目線のお話とか読みたいです！これからもお話楽しみに待っております！！ (2022年10月5日 7時) (レス) id: 664af2be8c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - こんにちは！いつも楽しく読ませて頂いています！こちらの短編もゆうたくんのお話も大好きです！！！応援してます！！！！ (2022年10月5日 7時) (レス) id: 664af2be8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：05410 | 作成日時：2022年5月14日 22時
