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2話 ページ3

学校に着くのは大体8時より少し前。

いつもなら鞄が一つだけど、今日はおにいちゃんの分も。

「−−−−−おにいちゃん」

校門が見えると、兄、我妻善逸の姿も見えた。

服装チェックと称して兄は学園の女生徒をなめまわすように見ている。

そんなひどい理由で風紀委員をしているのなら今すぐ辞めさせたいところだけど、そうはいかない。

「−−−−−−我妻」

「あっ、冨岡せんせ――――」

「髪を黒くしてこいと言っただろう」

(ほぼ)毎朝恒例になっている先生の一撃。

「イギャ―――――ッッッ!!!」

「と、冨岡先生、おはようございます……」

「なんだ、我妻の妹か」

兄はそのまま地面に倒れている。

「お前からも、コイツに髪を黒くするよう言ってくれないか」

「そ、そうですね…でも兄のその色は地毛でして……」

「妹のお前の髪は黒だろう」

ドキリ、と、心臓が高鳴る。

そう、兄の善逸の髪は金とオレンジという奇抜な色だ。

――――――でも、私の髪は兄と違い、黒い。

「兄妹ならば、髪の色は同じじゃないか」

何も言えない私に先生はなにか強く言うわけでもなく、「黒くしてこいといっているんだが」と、何とも言えない顔をしていた。

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作者名:mizuki | 作成日時:2020年2月25日 20時

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