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1話 ページ2
早朝、私は兄が学校へ行く準備のために家の中を走り回る音で目を覚ます。
「遅れる遅れる……っ!」
眠い目をこすりながら階段を下りて台所へ行くと、兄とすれ違った。
ぼさぼさの頭と、うまく結べていないネクタイ、靴下なんて半分しか履けてない。
「あ、A、おはよう」
せわしなく動いていた兄が私を視界にとらえると動きを止めて、笑いかけてくる。
「おはよう、おにいちゃん」
”おにいちゃん”と、もうすぐ高校生である私が呼ぶのは少し恥ずかしい。
けれど、おにいちゃんは、そう呼ばれたいらしいので、仕方なく呼んでいる。
「もう六時半だよォォオ!!早く家でないと、あの人に〜〜!」
台所に目を向けると、作りかけのお弁当が二つ、シンクにはフライパンと菜箸。
「お弁当は私が作っておくから、おにいちゃんは学校行っていいよ」
ホント!?とネクタイを結びながら兄は返事をする。うん、というと、礼を言ってすぐに家を飛び出て行ってしまった。
「−−−−−あ、おにいちゃん、鞄忘れてる」
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作者名:mizuki | 作成日時:2020年2月25日 20時