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その2 ページ2

「やっば、やらかした」

普段なら鳴るアラーム、今日は何故鳴らない、とキレ気味の私。

ばたばたと服を着替えて化粧をする。

そして昨日帰って来たまま放置されていたバッグとキャリーケースを手に取り家を出る。

鍵を閉めるのも忘れない、しっかり閉める。

「――――――行ってきます」

次、何時帰って来るんだろうと思いながら、キャリーケースをガラガラと引いて急ぎ足。

私のLINEには昨日交換した職場の人から、依頼主の家の住所と外見。

どんな人の家かは急いでいて見ていない。ということでバスの中でチェック。

「…ふぅん……男4人…」

名前と年齢、その他はもう飛ばす。どうせ一か月程度だろうし。

「―――でな、そんでな〜」

「くっ…ははっ…」

シン―と静まり返っている車内で喋る男性二人組。思わず聞き耳を立ててしまう。

後ろに座っているし、ヘンに振り返ってみるのもアレだなぁ、と思って、軽く目を閉じて聴く。

『次は―――。――――――。』

と、私が降りる停留所。あ、降りなきゃ、と思った所で後ろの2人も降りるのか立ちあがる。

「あ…荷物多いので、先にどうぞ」

と、譲る。

「ああ―――荷物持ちますよ。大変でしょ」

背が低い金髪の子がひょい、と私のキャリーケースを持ってくれる。

「おー、どこまでです?」

もう一人の黒髪の人、腕の刺青が見える。

あぁ、そっちの人?と思いながら『ちょっとそこまで』と返事をする。

「ありがとうございます……」

ぺこ、とお辞儀をしてキャリーケースを受け取り、地図を見ながら家の方向に歩きだす。

「いいえ〜」

そういうと二人は近くのコンビニに入って行った。

金髪の子は学生だろうか…派手な子もいるな。黒髪の人も20代後半?かな?と2人の事を思い出す。

顔はしっかり見えなかったな、どっちもマスクしたり帽子だったりで、わからなかった。

「……どこだろう、ココ」

しまった、土地勘が無い。完全に迷った。充電も、マップを見過ぎたのかもう20%程。

「ぽんこつ携帯め…」

ギリ、と画面を睨みながら、慣れない靴で歩いた靴ずれをゆっくり撫でる。

「おー、さっきのお姉さん。足どうかしたんです?」

いてて、とポケットから絆創膏を出していた所で、先程の金髪の子とまた会う。

「あれ…もう一人の…」

「ああ、煙草です、煙草」

その3→←その1:『プロローグ』



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ゆいたん(プロフ) - 続きずっと楽しみにしてます! (2018年3月12日 16時) (レス) id: d7e5cbd139 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - とても、面白かったです!更新楽しみにしてます! (2018年2月10日 19時) (レス) id: 1fbdf480cc (このIDを非表示/違反報告)
いくた(プロフ) - ねりぃさん» はじめまして;; ありがとうございます;; (2018年1月21日 16時) (レス) id: 603f3a6a2e (このIDを非表示/違反報告)
いくた(プロフ) - ゆいたんさん» 返信遅くなってもうしわけないです;;続きます;; (2018年1月21日 16時) (レス) id: 603f3a6a2e (このIDを非表示/違反報告)
ねりぃ - はじめまして、続きが気になる展開でとっても面白かったです!!更新されるのを楽しみにしています! (2018年1月21日 16時) (レス) id: f59a7c25f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくた | 作成日時:2017年7月23日 21時

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