私 の 世 界 【オリジナル】

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まだ日は昇りきっておらず薄暗い朝。
私、一ノ瀬Aは目覚めた。憂鬱だ。

大あくびしながら下へ降りていくと、案の定誰もいなかった。

家の両親は共働きで、大体家にいない。
その為自分のことは出来るようになった。
……まぁ幼い頃は寂しかったな。

正直、私は親が嫌いだ。何せ私のことを見てくれない。
いつも彼らは私にいってくる。
「勉強して良いところへ行け。」

中一の頃は親の期待に応えようと必死になって勉強した。
だが、彼らはこれを当然のようにあしらう。
いくら努力しても意味はないのだ。

「……ねぇ、なんでご飯ないわけ？」
ふと、聞きたくもない声が聞こえた。姉だ。

一ノ瀬陽香。
顔は良いけど中身は黒い。
高2でここらでは最もレベルの低い学校に通っている。

そう言えば、以前学年一位をとったときいて、そして親はそれを褒め称えた。
私は最底辺の学校では自慢にならないと思う。
……私がトップ50に入っても貶すくせに。

「ちょっときいてんの！？」
私はアンタの召し使いじゃないんだけど。
その言葉を我慢しながら、彼女に出来立ての朝食を渡した。
私はその辺にある惣菜パンを食べる。

これから洗い物して、掃除してそれから行く。
早く起きるのはこのためだ。

もうこんなことしたくない、なんて言わない。世界にはもっと辛い人がいるのだから。
悲劇のヒロインにすらなれない。
本当に、私ってちっぽけな存在なんだな。

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