レモンと金糸雀 IV (ページ37)

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とても疲れた顔で、こうたさんが帰ってきた。

『…おかえり』

「ただいまぁ。はぁ～～～」

私を見た途端、がっくしと肩でため息をつきながら抱きついて来ようとしたので

『御手洗はあちらです。』

一応妊婦なので、手洗いうがいをお願いする。

「はぁーい…」

また肩を落とし御手洗に向かった。

『はいどうぞ、お疲れ様です。』

「どうも～｣

腕をひろげ、宏太朗さんのことを抱きしめる。

「疲れたよ今日は…」

『何があったの？聞いて大丈夫なやつ？』

我々は身内でも話していいことと話しちゃダメなことが結構あったりするので、話を聞く時はアポを取る。

あ。どうやら渋ってるので言えないのかな…？

「胸糞悪いよ？現在進行形で僕が話すの嫌なんだけど」

『え。嫌ならやめよう。』

「…心の準備するから、そしたら話していい？」

『いいよいいよ。ずっと待つよ』

わたっし、まーつーわ♪いつまでもまーつーわ♪

そう歌ってあげたら一緒に歌ってくれた。好きよ。

「ねー体調良くて気分いいのはいいけど、気をつけて行くんだよ？」

『夕飯の買い出しくらい大丈夫よん。いってきまーす』

家での仕事があるというので、その間に買い出しに行く。

近くのスーパなので歩いて向かう。

お腹で脚元はまったく見えないので、ゆっくり歩く。

『今日はサラダだな』

たっぷり野菜をグリルしたサラダ。こうたさんは最近白米にハマってしまっている。

美味しいよね。

つやつやほかほかのごはん…

でも、もう30代ですので健康に気を使ってもらいたいので十六雑穀米をまぜている。

玄米でも言いけれど、しっかり鉄分とか取りたかったからもっぱらこれ。

献立はたっぷり野菜のグリルサラダ、ご飯、白菜のお味噌汁、あおさのだし巻き玉子、生姜焼きでございやす。

しっかり一汁三菜は取れてるはず。

あとはキムチとか納豆とか漬けてるぬか漬けとかを出せばいいかなぁ。

料理がストレス発散の部分があるのでつい量を作りすぎてしまう。

だいたい次の日の朝ごはん行きだけど、宏太朗さん同じの食べないんだよな…

まぁおいおい考えますわ。

ﾄﾞﾝ
『ん？どうした。何が食べたい？薄味はもういやだ？私もヤダ』

まあちゃんと中継をする。食べたあとが気分が悪くなりやすいのでご機嫌を伺う。

ま、食べるんだけどねそれでも←

ﾄﾞﾝｯｸﾞｲｸﾞｲ

『ぅ…めっちゃ蹴るじゃん…どうしたどうした』