レモンと金糸雀 IV (ページ26)

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Ⅱ ページ26

「おはようございます」

よかった〜今日撮影じゃなくて……

必死に腫れを取ったので何とか大丈夫な顔にはなっているだろ。

「お、宏太朗〜おはよう〜」

「おはようございます！今日は宜しくお願いします」

ROLY POLY PEOPLESで音響をしてくださってる浪川さん。

意外と厳しい注文を下さるので身を引き締めていつもマイク前に行く。

「はーい、今回以上になります！お疲れ様〜めちゃくちゃよかったよ今日。」

「はい！え、ほんとですか」

「うんうん。え、聞いても大丈夫系？」

彼女のことでニュースになった時、すぐに連絡をくれた浪川さん。

Aちゃんのことをとても可愛がっていて谷山さんとよく彼女の話で盛り上がってると安元さん伝いに聞くくらいだ。

どんだけ愛されてるんだ僕の奥さん。

「大丈夫ですよ笑あのですね」

今朝彼女が目を覚ましたということを伝える。

「本当に！！……赤ちゃんは？」

「赤ちゃんも、Aちゃんも元気です。」

「あぁもう、ほんとに…ｯよかったねぇ」

「ご心配おかけしました」

「いやいや、心配はもちろんするさ！それに宏太朗も心配だったんだよ。」

「え？」

「いやね、かっきーや江口くんとかから今の宏太朗の様子聞いてたからさ｣

「そうでしたか……気にかけて頂いてありがとうございます」

僕もつくづくいい先輩に面倒見てもらってるなと思います。今度お礼をしなければ……

「あれ、てことは今から会い行ってくるの？」

「はい！そうです！」

「そっかぁ！退院したら会いに行くって伝えといて！」

じゃ、お疲れ！行ってらっしゃい！

そう手を振って僕を送り出してくれた浪川さん。

こういうところが色んな人に愛されてる理由なんだなと改めて感じる。

さ、こうしてちゃいられない。

早くAちゃんのところに行かなきゃ。