レモンと金糸雀 Ⅲ (ページ30)

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Ⅱ ページ30

いつの間にか寝ていたし、彼は帰ってきていた。

前野さんから頂いたというメロンと干し芋。嫁こしが旦那さんと連絡していたのはこういうことだったのか。

お風呂…… 大丈夫かな。まぁまだそこまで目立たないか…

「Aちゃん」

『はい、なんやしょう』

「何隠してるの？」

『ｯ……え？』

しばらくの沈黙。

この気迫の宏太朗さんは超怖い。顔がすんって真顔なの。

やめて。喉の奥がきゅっとなった。

「指輪最近全然してないよね」

『……仕事だしね』

「それに帰るといつも寝てるし……少しハードすきだよ。ことさんに言った方がいいよ。」

『まぁ。仕事だし……』

「それに！自分の時間ちゃんと取れてるの？？家事いつも完璧で僕いつもなんにもしてなくない？僕もやりたいから少しは譲って」

『そんなにやりたかったの、家事』

「うん」

意外だ。

「はぁ……ごめんね。夫婦になってから結構すれ違いっていうの？あんまし2人の時間ないからさ、ちょっと爆発したわ」

『はは笑珍しいね。いいよもっとそういうのちょうだい。』

「……髪の毛色変えてたの気づいてなかったぁ」

『あれ言ってなかったか』

「うん。Twinterで流れてきてやっと色ちゃんと見た」

宏太朗さんに包まれながら会話する。

本当に久しぶりでめっちゃドキドキするけど、居心地がいい。胸元に耳を近づけると心音が聞こえる。

『ドッキドキだけど大丈夫？笑』

「しあわせ……っ違うよ！何隠してるの！！」

ﾁｯ､避けれなかったか。

「そんな顔してもダメだよ。言って」

『……じゃあお風呂入って、それから答え合わせをしよう。ね？』

「うん……そうする。｣

一緒に入浴するのは、お互い忙しかったこともあったし、何よりお腹の子が発覚すると自然と控えていた。

実に3ヶ月ぶりになる。

「……どうしたの？」

『うん？ん〜眠いなぁと思って』

「最近よく寝てるよね」

『うん』

「寝る子は育つっていうからね」

『胸見ながら言うのやめて？』

「だってまた大きくなってない？」

『自分じゃわかんないよ…』

「誰かに触らせてんの？」

『なんでそうなるんよ笑してないわ』

「えぇ〜？」

『そういいながら触んな』

「ちぇ｣

機嫌は良くなってるみたい。

ただ私に触れるな！！！

先にお風呂をあがり、夕飯の準備をする。

さぁ、ここからが本番だ。