第1話 ページ3
私はたもとから短刀を取り出した。
??「おい、こんな寒いのにそんな薄着だと風邪ひくぜ?」
周りに全然気を配っていなかった私は、急に声をかけられて驚いた。
そもそも、こんな見た目の私に声をかけようなんて考える人、滅多にいないし。
私は短刀をしまい、振り向いた。
そこに立っていたのは、真っ白な雪の中では一際鮮やかに見える紅い髪の男性だった。
私は浴衣のような着物で、確かにこの時期にはどう考えても薄着だろう。
普通の人間なら、だけど。
けれど、そう考えれば、目の前にいる男性も、かなりの薄着だった。
A「私は大丈夫です。それより、貴方こそ、そんな薄着だったら風邪をひきますよ。」
??「俺を心配してくれるのは嬉しいけどよ、やっぱり、女が体を冷やすのは良くねぇよ。」
そういうものなのかな。
まあ。
もう生きていくつもりもないし、私には関係ない。
??「って、雪積もって髪真っ白になってるじゃねぇか。いつからここに立ってんだよ。」
そう言って、その人は私に歩み寄り、頭の上の雪をはらってくれた。
けど、髪の色が変わることはない。
それに、少し驚いているようだった。
??「元々白いのか。」
そう言われて、今まであって来た人たちの反応を思い出す。
『そんな髪の人間なんているはずがない』
『気持ち悪い』
A「そうですよ。貴方も気持ち悪いと思うでしょ?」
私は自虐的に笑ったが、帰って来たのは予想外の言葉だった。
??「だから、ずっと警戒してたのか?」
A「えっ……?」
??「人ってのは自分と違うものを嫌うからな。その髪のせいで、きっと今まで色々言われて来たんだろ?」
全て言い当てられて、私は驚いた。
一つわかることは、この人は、今まで私があって来た人たちは、違うということ。
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彗.(プロフ) - そうすけさん» あけましておめでとうございます!ありがとうございます!面白いと思ってもらえるようなものが書けるように頑張ります! (2017年1月8日 13時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
そうすけ - 何か面白い作品ですね!更新楽しみにしてます。それと、謹賀新年!今年も楽しい作品沢山更新してくださいね! (2017年1月7日 3時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彗. | 作成日時:2016年11月23日 17時