~短編集~好きが沢山詰まってます 2

2* ページ4

Aside



職場から近い家に一度帰り、着替えて待ち合わせ場所に向かう。


結局、あの後断ることができず、貴久に謝罪のメッセージを送った。


貴久もちょうど予定が入ってしまったみたいで、お互いに今度埋め合わせをしようという話でまとまった。







「…はぁぁぁ…、貴久とクリスマス…。」









埋め合わせは決まったけれど、恋人としての初めてのクリスマスを一緒に過ごせないのは、やっぱり悔しくて、とても長いため息が漏れた。


雪が少し積もった足元を見つめていると、


機会がなく、彼氏ができたことを実瑠に伝えていなかったことに気づく。


きちんと伝えていれば、きょうは誘われることもなかったのに。と、後悔は募るばかり。









待ち合わせ場所に着くと、実瑠はすでに待ち合わせ場所で待っていた。


なぜか曇った表情をしている実瑠の元へ小走りで行く。








「ごめんね！待った？」


実「全然、約束の時間より早いし！それより、Aっ！何その格好！」


「え…。」


実「合コンにパンツ姿はないでしょ！？」









男ウケを狙わないためにパンツ姿にしたのが実瑠は気に食わなかったらしい









「いや……、あのね？」


実「もう、服買いに行くよ！本当よかった。合コンまで1時間あるし…って、聞いてる！？」


「う、うん、ごめんね。ありがとう」


実「もー、」










″私、本当は彼氏いるの″と、告げ、この場から逃げ帰ろうかと思うが、幹事さんに伝えてしまったことを思い出し、口を紡ぐ。




今日だけ。大丈夫、私には貴久がいるし。絶対になびかない。




そんなアホみたいな決意を固め実瑠と一緒に服屋さんへ入る






実「よし、これでいいんじゃない？」







レースを施したワンピースに、40デニールの黒タイツを履き、大人しそうな服装に仕上がる


鏡に映った私はさっきとはまるで別人。








「本当だ…、すごいね」


実「でしょ。あ、待ち合わせの時間に間に合わない！行こ！」

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