1テイク ページ2
私の名前は結木華純。
今日...ついにJKデビューを果たした。
まさかほんとに夢を追えるなんて思わなかった
地元を離れ、知り合いが誰もいないこの学校から、新たに人生をリスタートする。
入学してからは早かった。
専門学校のみんなはもう高校を卒業している人ばかりで、私が最年少だった。
だけど、直ぐにみんなと馴染んで、楽しい学校生活を送っていた。
そして2年の夏。
私の学校では、夏の中間発表で舞台をやる。
声優の専門学校だが、表現を学ぶ者として舞台は欠かせない。
その中で私は...見事主役を勝ち取った。
とても嬉しかった。正直嬉しすぎて泣いた。
来週から稽古が始まる...そんな時
『ゲホッ...ゲホッ...っぃたぃ...』
急に来た心臓が締め付けられるような痛みに、私は意識を手放した。
起きてまず目に入ったのは真っ白な天井。
おそらく病院だろう。
あぁ、そっか、私倒れたんだっけ...
コンコン
医「失礼するよ、起きたみたいだね、体調は大丈夫?」
私がこくりと頷くと、
医「急に倒れて自分でもびっくりしたよね、結木さんが寝ている間にいろいろ診させてもらったんだけど...。」
先生の顔が急に険しくなって、嫌な予感がした
医「残念ですが、あと1年もつかどうか...」
『そんな...』
詳しく聞いたところ、冠攣縮性狭心症。
いわゆる心臓病であることがわかった。
普通の狭心症の場合そこまでの重症でなければ、死に至ることはまず少ない。
だが、私の狭心症はすこし、いや大分異例のパターンらしい。
現代の医学が追いついていない、言わば、原因も治療法も確立していない、謎の多い病気だった。
正直、上手く理解が出来ていなかった
いや、したくなかったのだ。
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作者名:佑紀 | 作成日時:2021年3月2日 23時