未来屋《∞》3 (ページ12)

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『Aちゃん、大丈夫?ごめんな…。』

優しい大倉さんの声がして、我に返った。

一瞬感じた、あの人の匂いはしなくて

やっぱり、ここに居るのは大倉さんなんだと思って

心配かけてるのが申し訳なくて、ゆっくり離れようとしたら

ギュッとされて、

『Aちゃんが落ち着くまで、このままでええよ。』

『もう、大丈夫なので…』

ドキドキして、小さな声で言うと

おでこにキスされて、驚いて大倉さんを見上げると

ニコッと優しく笑って

『嘘。』

言われた意味が分からなくて、じっと見つめてると

綺麗な顔が近付いてきて、おでこに“チュッ”とキスされて

『俺が、Aちゃんを抱きしめてたい口実やから…。』

優しく抱きしめられて、

『可愛い、Aちゃんに触れときたい。』

その低く優しい声に、温もりに安心してしまう自分がいて

どうしても、いつも委ねてしまう。

暫くして、ゆっくり大倉さんが離れたから見上げると

頭を優しく撫でられて

『ありがとう♪しっかり、今まで逢えなかった分。充電出来たわ。』

ニコッと笑った後、そっと手を握られて。驚いていると

『じゃあ、食べ歩き行こな♪』

私の手を握ったまま、運転し始めた。

このままだといけないと、手を離そうと試みたけど

強くはないけど、離れられような加減で握られていて

運転してるから、下手に振り解く事が危ないから出来なかった。

大倉さんは気にすることなく。最近の出来事や、

ヤスくんや丸山さんの事を、楽しそうに話してた。

その優しい笑顔を見て、声を聞いてると癒されて

凄く楽しい気分になってきて、私も色々と話していて

手の事は気にならなくなっていた。