ゆりかご (ページ4)

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04大貴ページ4

こんな息苦しい世界をどんな顔して生きることが正解なんだろう。

きっと、俺もお前も正解からは程遠い所にいるんだろうな。

俺の言葉にやっと目があったと思えば、こいつの瞳の水分量がじわっと増えた。

何とも言えない気持ちだ。

んだよ…泣くならちゃんと泣けよ……

俺のこと酷い奴って言えよ……

「……どう…すればいいの…」

「あ？」

俺に向かって発せられた初めての声は、布団にこもって上手く聞き取れなかった。

「…どうすれば……ムカつかないの……」

………それは盲点。

だって、ぶっちゃけ俺も何にムカついたかの真意は分かっていないんだ。

「それは………」

何だ…

自分の納得する回答が無いじゃんか…

半開きで止まった口を見つめて、また泣きそうになるこいつを見てピンときた。

「お前さ…強がってる自分に惚れてんじゃねーの？」

俺は最低だ。

「甘えない自分が好きか？かっこいいか？」

そこまで言っても、大きな瞳からは涙なんて溢れなくて…

それにまたムカついた自分がいた。

「ガキは甘えてりゃいいのによ、何？自分は貰われた子だからテレビドラマみたいに健気な子でいるってか？」

「……………」

「まぁ、俺には関係ないけど。じゃ、飯はいらないって言っておくからさ」

………俺は最低だ。

僻み。嫉妬。妬み。

俺は小さなこいつに負けてないって、自己主張したかっただけだった。

強いこいつが羨ましかった…。