ゆりかご (ページ3)

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03大貴ページ3

一階の店の奥、家のキッチンとリビング。それから爺ちゃんの部屋。

キシキシと古びた階段を上がって、右手が俺の部屋。左手が父さんたちの部屋。一番奥が元客間。現、あいつの部屋だ。

まだ受け入れきれてない狭い心に自分自身でムシャクシャする。

そっとドアを開けて、中を覗く。

「……寝てんの？」

もこっとした布団に軽く声をかければ、ピクッと震えた。

なんだ、起きてんじゃん。

「飯食うの？って母さんが」

…………。

「はぁ…」

まぁそうでしょう。そうでしょう。

残念？ながら俺はまだこいつと会話というものをしていないんだ。

「おい…返事くらいしろよ…」

少し無理に布団をひっぺがしてやる。

小さな体丸め込んで…目なんか合わせようともしない。まるで全部拒否されてるみたいで、ムカつく。

「おい……？」

そいつはもぞもぞと動いて、腹をかばうようにさらに小さく丸まった。

「腹痛いの？」

フルフルと首を振って、必死の拒否。

相変わらず目の合わないそいつに、そっと布団をかけ直してやれば、もぞもぞと布団を巻き込んでまた丸くなった。

「………そーゆーのムカつく」