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休み時間も後数分の所で話しが終わったようで、解散したバレー部の面々。
そこで初めて私が居た事に気付いたらしい同じクラスの部員の人が「あ」と声を上げた。
「お前の席占領して悪かったな」
続いて後輩くんが「すみませんでした!」と大声で頭を下げて来る。
「やる事も無かったから大丈夫だよ」
教室を出て行くのに後輩くんからまた頭を下げられ、苦笑いを浮かべながら席に着くとユウキちゃんが申し訳なさそうに振り返る。
「ごめんな、上条ちゃん」
「チョコパンで手を打とう」
「マジで?」
苦笑いをするユウキちゃんに「冗談だよ」と笑って見せると、何かを思い出したかのように机の横に掛けてあるバッグを漁りだした。
「あった、あった。これで勘弁して」
血管が浮き出た骨張っている大きな手に乗せられたチョコレートの箱。パッケージには桜の模様。
「限定の桜味だって。昨日見付けて買っちゃった」
桜味って言ったら上条ちゃんだし、と笑うユウキちゃんの手をチョコごと両手で握り締める。
「ユウキちゃん、好き」
「俺も上条ちゃん好きよ?」
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作者名:速水 | 作成日時:2016年6月17日 18時