カラフルボックス２ (ページ15)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:17,726 hit

6-2 ページ15

ギャイギャイと何か喚いているのを遠くで聞きながら「今日の練習メニューどうしようかなぁ」とか「夕飯何かなぁ」とか俯きながら考える。
でも時たま放たれる「石川」と「ユウキくん」という言葉だけハッキリ聞こえるのは仕方がないと思う。

「ねぇ」

突然聞こえた、聞こえるはずのない声に驚いて思わず顔を上げる。

「お、おう…」

ビックリした。何でここにいるの？

「ユウキちゃん…」

驚いている私達を尻目にユウキちゃんはズンズン歩いて来て、先輩達も押し退け、私の前に立つ。

「何してんの？上条ちゃん」

「え？怒られるの私？」

「とにかく行こ」

「え？は？ユウキちゃ～ん？」

私の手を引いてズンズン歩き出してしまうので、慌てて足を動かしてついて行く。
チラリと振り返ると呆然としている先輩達。しかし、すぐに顔が蒼白になった。
恐らく自分達の行いを大好きなユウキちゃんに知られてしまった事を焦っているのだろう。
そして、ユウキちゃんの中で自分という存在が色んな意味で除外される事も。
それが怖いならやるなっての。

ー