メロドラマ(#15) ページ24
「"バレーボールワールドカップ男子大会は今日も超満員で…"」
テレビのワイドショーで流れる映像。
コートの中で躍動する姿に思わず笑みが浮かんだ。
「うん。元気だね…」
「A、バレーのワールドカップの東京大会も行くんでしょ?」
「ん〜…多分」
「そんな事言って結局毎回行くくせに」
Vリーグや全日本の試合に足を運んでいる事を知っている人から見ると、私はかなりのバレーファンに見えるようだ。
純粋なバレーファンの人には怒られるだろうけど、私の目的はバレーを見る事じゃないんだよね…。
「女々しいなぁ…」
あの日、離れるのを決めたのは私なのに。
"将洋!今日もお疲れ様!"
"どうだった?"
"最高!格好の良かった!"
"だろ?"
私と将洋は所謂幼馴染で、高校時代に私達は自然と恋人同士になっていた。
将洋は私を大切にしてくれたし、私も将洋が大切だった。
だけど、付き合いが続いていた大学時代、卒業後、将洋は大阪にホームを置くチームに所属する事となり、当然ながら将洋も大阪に住む事になった。
"着いてきて欲しい"
そう言って差し延べられた手を私は取らなかった。
私で良かったら、と良くある恋愛ドラマみたいには出来なかった。
右も左も分からない、将洋以外の人を知らない土地。
将洋にはバレーがある。
バレーの仲間がいる。
だけど、私には何も無くなる。
既に短大を卒業し、就職をしていたという尤もらしい理由を付けた所で、結局私は怖かったのだ。
ゼロからのスタートが怖くて一歩を踏み切れなかった。
友達には子供みたいだと笑われたけど、私には重要で重大な事だった。
ー
170人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
速水(プロフ) - ゆめさん» 嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (2016年6月10日 23時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 速水さんの作品大好きです!特に、ヘタレ選手が好きなのです!これからも更新を楽しみに待ってます! (2016年6月10日 1時) (レス) id: 44f44b19a6 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ? yu ?さん» 本当ですか!?ありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です! (2016年6月9日 15時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
? yu ?(プロフ) - ハムスターのしつけ方 、すごいよかったです!連載化してほしいレベルです(´・_・`)笑 (2016年6月9日 14時) (レス) id: f79162b6f0 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ゆらぎさん» 需要ありますか!?良かった!また思い付いたら受難シリーズも更新させて頂きます! (2016年1月27日 14時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:速水 | 作成日時:2015年10月24日 1時