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「あれ?A、祐希知らないか?」


練習終わり。片付けをしているところで主将に掛けられた声に、あたしは首を傾げる。


「知りませんけど?」

「参ったな。ちょっと探して来てくれ」

「分かりました」


祐希め、後で何か奢らせよう。
なんて企みながら探していると、廊下の奥から声が聞こえた。


「私、石川先輩が好きなんです」


うわぉ、なんてタイミングで来てしまったんだ・・・。

双方死角だから顔は見えないけど、祐希は兎も角一世一代の勇気を出したのであろう女の子には申し訳ない。

さて、どうしよう・・・。
頼まれた手前、祐希を連れて行きたいがそんな雰囲気じゃない。
かと言ってここで音でも出して2人に気付かれても気まずい。

どうするのが最善か考えていると・・・


「A〜!祐希居たか〜?」

「お前・・・」


感謝すべきか、怒るべきか、同輩の部員が向こうから声をかけてきたせいで見事に見付かった。
振り向いてソイツを睨むと何かを察知したらしく逃げられた。
後で覚えとけ。


「A…」


案の定、告白現場から姿を現したのは祐希で、苦虫何十匹も噛みましたって顔してる。


「悪い。聞くつもりはなかったんだ…」


なんて言葉を交わしていたら奥から女の子が顔を真っ赤にして出てきた。


「っぁ・・・と・・・」


あたしと目が合うと何ともいえない顔をされ、走り去ってしまった。


「あ〜あ、申し訳無い事したな・・・」

「お前が気にしなくても良い。後でちゃんと話する」

「・・・祐希」

「何?」

「その・・・付き合うのか?」

「は?」

「いや!悪い!何でもない!それより主将が呼んでたぞ!」


自分で聞いた事ながら何か急に恥ずかしくなって脱兎の如く逃げようとしたら腕を掴まれ、勢いに任せて壁に押し付けられた。


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速水(プロフ) - ゆめさん» 嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (2016年6月10日 23時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 速水さんの作品大好きです!特に、ヘタレ選手が好きなのです!これからも更新を楽しみに待ってます! (2016年6月10日 1時) (レス) id: 44f44b19a6 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ? yu ?さん» 本当ですか!?ありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です! (2016年6月9日 15時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
? yu ?(プロフ) - ハムスターのしつけ方 、すごいよかったです!連載化してほしいレベルです(´・_・`)笑 (2016年6月9日 14時) (レス) id: f79162b6f0 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ゆらぎさん» 需要ありますか!?良かった!また思い付いたら受難シリーズも更新させて頂きます! (2016年1月27日 14時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:速水 | 作成日時:2015年10月24日 1時

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