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「すみません、邪魔ですよね!すぐに片付けます!」
変な人だったら困ると、慌てて次に掴もうとしたペンケース。
だけど、私が掴むより先に別の手がソレを掴んだ。
色白のその手を辿ると、持ち主は話しかけて来た男の人。
「あの…、それ…」
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます…」
戸惑う私を他所にテキパキと私の荷物を拾い出したその人に、私も慌てて拾い出す。
「これで全部ですか?」
「はい、ありがとうございます…!」
私に渡してくれるべく、わざわざしゃがみ込んでくれた所でやっと顔が見れた。
少し幼さを残す、優しい顔立ちの人だ。
良かった、と言うその人に、変な人だと思ってしまった事を心の中で謝罪をしつつ、鞄に荷物を詰め込んだ所で立ち上が………
「おお!?」
って驚いた。
先に立ち上がっていたその人の大きさに。
男女の差と言っても、それにしてもデカイ。
2mくらいあるんじゃないだろうか。
「どうかしました?」
「い、いえ!ありがとうございます!助かりました!」
「いいえ」
ニッコリと微笑まれたその瞬間、私の脳はフリーズ。
アラームが掛かって無かったのも、スマホを忘れたのも、髪が引っかかったのも、教室が変わったのも、転んで荷物をぶち撒けたのも、今日の不運全てはこの、とんっっっでも無く大きい幸運のためだったんじゃないだろうか…。
「うわぁ…、私ってチョロい…」
物の見事に
私のハートは盗まれた。
【end】
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速水(プロフ) - ゆめさん» 嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (2016年6月10日 23時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 速水さんの作品大好きです!特に、ヘタレ選手が好きなのです!これからも更新を楽しみに待ってます! (2016年6月10日 1時) (レス) id: 44f44b19a6 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ? yu ?さん» 本当ですか!?ありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です! (2016年6月9日 15時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
? yu ?(プロフ) - ハムスターのしつけ方 、すごいよかったです!連載化してほしいレベルです(´・_・`)笑 (2016年6月9日 14時) (レス) id: f79162b6f0 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ゆらぎさん» 需要ありますか!?良かった!また思い付いたら受難シリーズも更新させて頂きます! (2016年1月27日 14時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:速水 | 作成日時:2015年10月24日 1時