検索窓
今日:21 hit、昨日:1 hit、合計:151,035 hit

今から君に告白するから(#8) ページ1

今季何度目か分からない、今年一番の寒波に都内でも霜が降りたと伝えていたテレビ。
雪が降るかもなんてワクワクしていたけれど、朝、カーテンを開けて見えた景色は白化粧をしておらず、ちょっとガッカリ。


「寒い…」


コートを身にまとい、モコモコマフラーに顔を埋めながらも、隣を歩く祐希の鼻の頭は赤い。
トナカイみたいだ。


「冬だからね〜」

「Aは平気なの?」

「雪国生まれだからね」


寒いのには耐性ありますよ?とドヤ顔かましてみれば、マフラーに隠れているからくもぐった声で「ズルい」とボソリ。


「ズルいって言われてもなぁ」


慣れだよ、慣れ。

上京してきて2回目の冬を迎えたけれど、まだまだ耐性はあるらしい。
東京は冬でも雪なんか滅多に降らないし、降っても積もらないから、地元にいた時はあんなに鬱陶しく思っていた雪が何だか恋しくなるなんて思いもしなかった。


「雪国かぁ…。雪、いっぱい降るの?」

「昔よりは降らないけどね。それでも2メートル近くは降るかな」

「俺と同じくらいか…」


言われてみればそうだ。
祐希と同じくらいって思えば、帰省した時の雪かたしも少しは楽しくなるだろうか。


「今度連れてって」

「うちの地元に?」

コクリと頷いた祐希に「何で?」と首を傾げれば、返って来たのは「Aの生まれ育った場所が見たい」という答え。
益々理解が出来ずに首を傾げるばかりの私を無視して祐希は言葉を続ける。


「そんでお父さんとお母さんに挨拶する」

「なんて?」

「娘さんをくださいって」


思わず祐希に視線を移したけど、祐希は前を見据えたまま。


「色々順番間違えてると思うのは私だけ?」

「間違えてないよ」

「そうかな?」


ねえ、鼻に加えて耳まで赤くなったのは寒さのせい?


「だって…」




今から君に告白するから

そのままの君が好き(#8)→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
170人がお気に入り
設定タグ:男子バレー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

速水(プロフ) - ゆめさん» 嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (2016年6月10日 23時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 速水さんの作品大好きです!特に、ヘタレ選手が好きなのです!これからも更新を楽しみに待ってます! (2016年6月10日 1時) (レス) id: 44f44b19a6 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ? yu ?さん» 本当ですか!?ありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です! (2016年6月9日 15時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
? yu ?(プロフ) - ハムスターのしつけ方 、すごいよかったです!連載化してほしいレベルです(´・_・`)笑 (2016年6月9日 14時) (レス) id: f79162b6f0 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ゆらぎさん» 需要ありますか!?良かった!また思い付いたら受難シリーズも更新させて頂きます! (2016年1月27日 14時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:速水 | 作成日時:2015年10月24日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。