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「おはよう」

「お、おはよう」


その日から柳田くんはあたしを見ると挨拶、若しくは会釈をしてくれるようになった。
柳田くんをロックオンしている子達からの刺さるような視線は痛いけれど、挨拶くらいしかしないあたし達にそれ以上の関係性は無いと分かったようで、それも次第に少なくなっていった。


「A、聞いた?柳田、何かの代表に選ばれたんだって」

「ちょっ、何かって何?」

「さあ?」

「何かじゃ分からないって〜」


あたしも千世もテレビでやっていたら観るくらいの超ライトなバレーファンだから、柳田くんの情報が入って来たって「へえ、やっぱり凄いんだね」で終了。
多分、嘘を教えられても「そうなんだ」って素直に受け入れると思う。
そのくらい無知に等しい。

柳田くん狙いの子の中にはバレー部の試合を毎回観戦しに行ったり、練習を見に行ったりしている熱烈な子もいるようだけど、その行動力には感心するばかり。


「代表に選ばれたから、最近学校で見掛けないのかな?」

「かもね」


とりあえず、良く分からないけれど柳田くんはやっぱり凄いらしい。

なんて千世と実があるのか無いのか分から無い柳田くん談話をしていたのが今日の昼間。


「あれ?柳田くん」

「どうも」


その話題の張本人は、ジャージ姿で夕方にバイト先に現れた。


「試合だったの?」

「そう」

「お疲れ様」

「どうも」


以上。会話終了。
後はお会計をして、「じゃあ」と去って行く柳田くんの背中を見送って終わり。


「話すの苦手なのかな?」


まあ、あたしもそれ程得意ではないけれど、それでも柳田くんよりは話す、と思う。

あ、ただ単純にあたしと話す話題が無いだけか。



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リッカロッカ(プロフ) - 花蓮さん» コメントありがとうございます!もう良過ぎです!(笑) (2015年10月25日 13時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - とっても面白いです!良いですよね〜柳田君 (2015年10月25日 12時) (レス) id: b02621fbce (このIDを非表示/違反報告)
リッカロッカ(プロフ) - ゆんさん» 速水です。コメントありがとうございます!大好きと言って頂けてもう感激です!続編もまとまったら掲載しようと思います! (2015年10月24日 23時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 速水さんが書くお話全て大好きです。個人的には、この二人の今後が読みたいと思いました。そのくらいハマってしまいました(*´ω`*) (2015年10月24日 21時) (レス) id: 23a8fe0fb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:速水 | 作成日時:2015年10月10日 19時

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