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「じゃあ、当たり障りない事を話し掛けたら良いじゃん」
「例えば?」
「今日は天気が良いね、とか月が綺麗ですね、とか」
「いや、後者は告白すら通り越してるから」
同じ教室にいるのにこんなに遠い…。
机に頬をくっ付けて、女子達と柳田くんを眺めているしかしない私に千世から聞こえて来たのは溜息だったけど、同時にポンポンと頭を撫でて来た手は優しかった。
「そんなにグズグズしてると他の子に持って行かれちゃうよ?」
「分かってるもん…」
学内外に柳田くんのファンがいる事は知ってる。
そして、きっとこれから柳田くんは目覚しく活躍をしていき、それこそ周囲には魅力的な人が多く集まるだろう。
今だってこんなに自信が無いのに、そんな人達の中をかい潜り、私は柳田くんの目に映る事が出来るのだろうか。
「じゃあ、このままじゃダメじゃん」
「だよねぇ…」
今の私の心は、柳田くんに名前を呼ばれ、その目に映れば空に羽ばたくように舞い上がり、今は地面に沈んでしまうんじゃないかというくらい重い。
柳田くんのひとつひとつにこんなに心を動かされる。
これが恋だと言うのなら、今まで私がして来た恋だと思っていたものは一体何だったのか。
それくらい、心を乱される。
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リッカロッカ(プロフ) - 花蓮さん» コメントありがとうございます!もう良過ぎです!(笑) (2015年10月25日 13時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - とっても面白いです!良いですよね〜柳田君 (2015年10月25日 12時) (レス) id: b02621fbce (このIDを非表示/違反報告)
リッカロッカ(プロフ) - ゆんさん» 速水です。コメントありがとうございます!大好きと言って頂けてもう感激です!続編もまとまったら掲載しようと思います! (2015年10月24日 23時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 速水さんが書くお話全て大好きです。個人的には、この二人の今後が読みたいと思いました。そのくらいハマってしまいました(*´ω`*) (2015年10月24日 21時) (レス) id: 23a8fe0fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:速水 | 作成日時:2015年10月10日 19時