case.4-1 ページ10
「しましょうか？抱っこ」
その瞬間、ビシリと宇佐木ちゃんが石像よろしく固まるのをその場にいた全員が見た。
その姿に祐希と俺を始めとしたメンバーは各々、笑い転げたり、必死に耐えたりと様々だ。
ただ、この空気作った張本人である山内は柔らかい微笑みで宇佐木ちゃんに両手を差し出している。
つまりは抱っこしようとしている姿勢だ。
「や、柳田選手！」
山内選手に言ったんですか！？とそれはそれは必死の形相で、体当たりせんばかりの勢いで駆け寄って来た宇佐木ちゃんにホールドアップ。
「宇佐木ちゃんに俺がしたより高い視界を体感させてあげたいなぁ、と思って」
ちなみにワンペナね、と言った俺に宇佐木ちゃんは床に崩れ落ちた。
多分、あの時の自分の振る舞いを思い出して羞恥心に襲われているんだろう。俯いているから顔は見えないけど、耳が真っ赤だ。
「俺で良ければしますよ？抱っこ」
隣にしゃがみ込み、穏やかに優しく言っているけど、柔らかい笑みを浮かべているけど、山内が内心では面白がっている事を全日本メンバーは知っている。
こいつはアレだ。ロールキャベツ系だ。
優しい、穏やかな感じに見せかけて、実は結構Sっ気があるんだよなぁ。
敢えて抱っこって言う辺りが、相手の羞恥心を煽ると知っててやってるんだよ、絶対。
「あの…、山内選手」
「あ。俺も柳田さんや祐希みたいに選手を付けずに呼んで欲しいです」
「……山内くん？」
流石の宇佐木ちゃんもだんだん慣れてきたようで、俺の時のような全力拒否は無くなった。
ちなみに祐希は「自分は年下だから呼び捨てで、出来れば名前で」と訴えたものの、流石に名前の呼び捨ては出来ないと拒否する宇佐木ちゃんと押し問答の末「祐希くん」に落ち着いた。
「祐希みたいに名前呼びで良いんだけど、まあ良いや。今は」
おい、山内。
最後の「今は」に何かドス黒いものを感じるぞ。
ー
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リッカロッカ(プロフ) - ゆんさん» いつでもどれでも感想お待ちしております（笑）物語も佳境に入って来ました！遅筆な上に掛け持ちしてますが、完結はちゃんとさせますので、読んでいただけたらと思います（^人^） (2015年10月25日 7時) (
レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - またまた感想失礼します。いいところで〜！とジタバタしてしまいました(笑)続き楽しみにしています！無理なさらずに速水さんのペースで頑張ってください(*^_^*) (2015年10月24日 21時) (レス) id: 23a8fe0fb7 (このIDを非表示/違反報告)
リッカロッカ(プロフ) - ざらめさん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、気長にお付き合いいただければと思います^_^ (2015年10月12日 0時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ - すごく面白くて大好きな作品です！ 忙しいとは思いますが、続きを楽しみに待っています！ (2015年10月11日 22時) (レス) id: 1bafacbc57 (このIDを非表示/違反報告)
リッカロッカ(プロフ) - ゆんさん» 毎日チェックだなんて…！ありがとうございます！嬉しいです〜！更新への活力になります！ (2015年10月8日 20時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：速水 | 作成日時：2015年10月1日 20時
