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「「カァーーー!!」」




2羽の鎹鴉がバタバタと飛んできた。




「Aーー!」

「何かあったの?」

「上弦ノ弐ト戦闘ノ末、胡蝶カナエ死亡ゥウーーー!!」

「えっ……」



小芭内の鴉、夕庵の言葉に思わず小芭内と顔を見合わせた。

柱で、もちろん強いはずのカナエが死んだ。

相手は、柱3人分の強さと言われる、上弦。

カナエが、負けた?しのぶは?



ーーーーーーー…実弥は大丈夫なんだろうか。






「おばない、……」

「行くぞ」




小芭内が私の手を引いて、進んでくれた。

景色がどんどん移り変わっていって、だんだんと実弥の屋敷に近づいているのがわかる。

私1人だったら行く勇気なんてなかったから、とてもありがたかった。




「あいつはきっと、屋敷で鍛錬していただろう。1人でいるはずだ。屋敷の前まではついてってやるから、あとはお前1人で行け。いいな」

「うん、ありがとう」




あっという間に屋敷にたどり着いた。

のはいいものの、そこからなかなか進まずにいる。




「早く行け。あいつが悲しい気持ちを表に出すことはないが、1人でいるよりずっといい。それともなんだ、不死川を一人にしておくのか?」

「それはイヤ…きっと悲しんでる」

「ならば尚更行ったほうがいいだろう。何かあったら俺の屋敷に来ればいい。話ぐらいは聞いてやる」

「ありがとう、小芭内。ほんとに」




小芭内は、鬱陶しそうな顔をしながらも、しっかりと私の背中を押してくれた。

がんばろう。告白されて振った相手になんて、来てほしくないかもしれないけど。

小芭内が言ったみたいに、一人でいるよりずっといいと、思う。というか思いたい。

もちろん、弱っている実弥につけこむわけじゃない。けど、好きな人を失った状態で1人になんてできない。




実弥が死んだらーーーーー…私はどうなってしまうんだろう。






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作者名:ゆゆ | 作成日時:2021年2月9日 1時

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