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「ーーーーーー…抜けたっ!蜜璃、小芭内!?…もう1人は…鬼」
ようやく広がった空間にいたのは上弦の肆と、その頭に潰そうとしている鬼の少年。そして蜜璃と小芭内がいた。
「Aちゃん!」
「小鳥遊、簡潔に話す。愈史郎は鬼だが味方だ。今上弦の視覚を乗っ取り、無惨を騙すために俺ら2人は死んだことにしている。その間に愈史郎が無惨を地上に出す」
「わかった」
「…不死川は?一緒に落ちたんじゃないのか?」
「途中でバラバラになった」
「そうか、俺たちは無惨の場所へ行こう」
上弦の鬼はみんなのおかげで倒された。無惨を探さなければいけない。
みんなが必死に戦っているのに、私はまだ、何の役にも立っていないのだから。早く、行かないと…!
「ああああ!!ちょっと!やめなさいよーーーー‼」
義勇、炭治郎…!!無惨…!!
蜜璃を追いかければ、義勇と炭治郎が無惨と戦っていた。慌てて加勢するも、攻撃を避けるので精一杯。
ギギイと建物が揺れ、今にも壊れそうな音を発している。建物が上昇する…!
「外…!!」
鴉によると夜明けまであと1時間半。その間、無惨をここに留め続けられる…!?
やる、やるしかない。義勇と炭治郎はもう満身創痍ともいえる。私が、頑張らないと。
全員の攻撃が一斉に無惨に向かう。斬ったはずなのに、その場で再生するのか、傷一つつかない。
隊士たちが私たちを守るために盾となった。
やめて、お願い。柱の役目はあなた達を守ること。
けど、今は守ってくれた隊士がいなかったらきっと私は致命傷を負っていた。
「あれを見るがいい」
「たん、じろう…?」
今度は炭治郎が死んだ、玄弥も、無一郎もしのぶも。
とにかく無惨をこの場に止めることを考えて、攻撃を繰り返そう。とは思っているものの、やはり避けるので精一杯になってしまう。
「甘露寺!!」
小芭内が切羽詰まった声で蜜璃を呼ぶ、お願い、間に合って…!思いっきり力を込めて、地面を蹴ったが、間に合いそうになかった。
目の前で、無惨の攻撃を止め、誰かが蜜璃を守る。
「悲鳴嶼さんっ…!っ、実弥!!」
1秒でも早く会いたかった実弥の姿はボロボロだった。お腹の傷は縫われており、体は傷だらけ。出血もひどい。
なにより、変わったこと。頬には風車の形をした痣が出ていた。
実弥は無惨に対して火を放った。
「ブチ殺してやる、この塵屑野郎」
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2021年2月9日 1時