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律動とともに揺れる実弥と私。
実弥を受け入れるそこは限界を迎えかけていた。
「さ、ねみっ…も、むりっ…」
「っは、俺もだァ……」
その刹那、2人同時に果てた。
「好きだ、A」
「わたしも、好き」
抱きしめて、はっきりと好きだと伝えてくれる。
「お風呂はいりたい」
「一緒に入るかァ?」
「……いいよ」
「は?」
「だから、いいよってば」
実弥が驚くのも無理はない。今まで一緒にお風呂に入ったことだけはなかった。
実弥は入ろうと言ってくるけど、お風呂だけは断り続けていたから。
理由は、単純に恥ずかしい。
「早く行くぞ」
横抱きにされて、颯爽とお風呂へ連れてかれる。気づけば脱がされてお風呂場にいた。
「お湯、沸かしといてくれたの?」
「あァ、帰ってきたら入ると思って」
「ありがと」
「おう、流すぞォ。目ェ瞑ってろよォ」
「洗ってくれるの?」
「当たり前だろ。こっちは4年も待ってんだ。洗わせろ」
「あはは、ごめんね」
ゴシゴシとしてくれる実弥の指先が気持ちいい。
「流すぞ」
「はぁい」
私の髪の毛はあっという間に洗い終わった。
「私もやる!」
「おぉ、Aチャン洗ってくれるのかァ」
「任せて!」
濡らして、わしゃわしゃと洗う。短い髪の毛ってこんなに洗いやすいんだ、なんて少し感動した。
ちょっとした出来心で、実弥の髪の毛を後ろに流してみた、
「きゃー!前髪ないのも似合う!」
「あ?何してんだよ」
「前髪ない貴重な実弥堪能してるの」
「んなもんいつでも見れんだろ」
Aが一緒に風呂に入ればなァ、と言いながら実弥の顔が近づいてきて軽く唇が重なった。
「かっ、かっこいい……」
「んだよ、もう前髪あげねェ」
「ああぁ…そんなぁ…」
お湯をザバっとかけて、流されてしまった。
「もちろん前髪ありも好きだよ?」
「じゃねェと困るなァ?」
もう一度重なる唇。そして、腹部にあたる硬いモノ。
「さ、実弥、これ……」
「仕方ねェだろ。生理現象だ。もっかいするか?」
「んっ、むり!身が持たない」
「冗談だ。俺はいつでも大歓迎だけどな」
実弥はそう言って体を洗い終わらせると、私の体をすみずみまで洗う。
「ここも綺麗にしないとなァ?」
「ちょ、そんなとこまで……」
「痛くねェ?」
「ん、だいじょぶ…」
そんなこんなでわちゃわちゃしながら初めての一緒に入るお風呂が終わった。
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2021年2月9日 1時