21歳 ページ26
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あれから月日は流れ、私たちは21歳になった。
実弥とは時々喧嘩するものの、4年経った今も仲良く一緒に暮らしている。
実弥のことは好き。大好き。けどたまに理解してあげられない時がある。
「ｰｰｰｰｰ…鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ？そんなことはなあァ、ありえねェんだよ馬鹿がァ」
「実弥、！」
目の前には市松模様の羽織の男の子と、鬼の女の子。
実弥は鬼の女の子に刃をふるう。
私も鬼は滅殺すべきで、つまりは目の前の竹を加えた女の子もいくら可愛いからって殺さなければいけないのだと思っている。
きっと実弥は過去を思い出して傷ついている。だからこそ、目の前のものを否定したかったんだと思う。
けど、何も自分を傷つけてまでそんなことしなくていいじゃん。何よりも自分を大切にしてほしい。
止めようとはしたものの、私も小芭内に制され、結局実弥の暴走を止めることはできなかった。
「実弥、おはぎ食べて帰ろ？」
おはぎと言えば、ピクッと反応する。
結局、先程の柱合会議では鬼の女の子は実弥によって"証明"されることとなり、実弥の行動は逆効果となってしまった。
血を流した実弥の腕はしのぶに処置を施してもらい、きっと落ち込んでいる彼を、なんとか奮い立たせたかった。
「しのぶ、ありがとう」
「いいのですよ。お大事にしてくださいね」
そう言ってしのぶはチラリと実弥を見やる。彼はどこかバツが悪そうな顔をして、そっぽを向いた。
「じゃあ、しのぶまたね」
「えぇ、お気をつけて。不死川さんも」
甘味処まで歩きながら、話すのはもちろんさっきのこと。
「実弥、もう自分のこと傷つけないでよ」
「……」
「私、実弥の傷がこれ以上増えるの、嫌だよ」
「……悪ィ」
反省してくれたのか、ボソッと謝る。
付き合い始めて、自分を傷つけながら戦うのは嫌だと伝えてから傷をつけて帰ってくることは減った。
それは、約束を守ってくれているからというのもあるけど、実弥自身が強くなったからという理由が一番。
「いらっしゃい〜こちらのお席どうぞ」
「お茶2つ、おはぎ2つお団子1本で」
「はいよ〜お待ちね〜」
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作者名：ゆゆ | 作成日時：2021年2月9日 1時
