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「あ!天元さーーーん!」
「よぉーA」
小芭内と別れた帰り道、派手を司る神に会った。
「どうしたんだよ?こんな方歩いて。お前の屋敷反対方向だろ」
「実弥の家行くの」
「なんだ、お前の大好きな実弥チャンに会いに行く割には浮かない顔してんな」
天元さんの音の呼吸が雷の派生だから、私の階級が乙になったぐらいに声をかけてくれて、そこから私が柱になるまで何度も稽古をつけてもらった。
天元さんのおかげで鳴柱になれたとも言える。
そして、この人には実弥が好きなことがバレていて前までかなり話を聞いてもらっていたのだ。
「それが、天元さん最近ねーーーーーーー…」
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「そりゃ不死川もやっとお前のこと意識し始めたんだろ」
「そうなの、かな?」
「俺が思うに、Aは今まで妹的存在でしか見られてなかったが、告白したのと胡蝶のことがあってお前を女として認識したんじゃね?」
「え、私女ですらなかったの?」
「だな。それか近すぎてお前の存在のデカさに気づかなかったか」
「んー、大事に思ってくれてるのかな」
「少なくとも前よりはな。にしてもAがそんなに派手なやつだとは思わなかったなぁ。好きな奴がいんのに告白するなんて派手すぎて見直したわ」
そう言って頭をポンポンと撫でてくれる。
天元さんお兄ちゃんすぎて、好き。
「おい、こんなところで何してんだよ」
ふいに、天元さんの後ろから聞こえた少し怒気を含んだ低い声。
「あ?不死川じゃねーか。どした?」
「別に、…んだよその手」
実弥がそう言うと天元さんは驚いた顔で、実弥と私の顔を見比べてニヤッと効果音のつくぐらい口角をあげると
"悩む必要ねぇじゃねーか。派手に脈アリだろ、がんばれ"
と耳打ちして
「じゃーな俺は帰る。あとはお二人さんで仲良くな〜」
なんて爆弾を落として帰っていった。
ちょ、なにこの状況…。
天元さん勘弁してよ、気まずいじゃん。
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2021年2月9日 1時