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センパイからもらったボールペンを自分の部屋の照明にかざしてみる。



光をキラリと反射するシャープな曲線。



その時、昔の事を思い出した。



『センパイ。私センパイが好きなんです。』



っ………これはあの時の記憶。




口からこぼれた言葉は戻らなくて…



センパイの返事だってほろ苦かった
忘れようとして封印した記憶。



大切な記憶。なんで今まで思い出せなかったのか分からないくらい鮮明に蘇った。



センパイに会ってなんで思い出せなかったんだ!



ここまで一気に蘇り、



落ち着くとなんでか涙で視界がにじんだ。



『なんで私泣いてるん……だっけ……』



絞り出した声が震える。



私の頬を伝った涙は一筋の跡を残した。



そうセンパイの言う通り、"これっきり"じゃなかった。



私が夢に落ちるその時まで涙は止まらなかった。



センラside


俺がツアーライブでいなかった間に取引先の社長が
アポ無しで来たようだ。


大切ツアー中にその事を聞いたから会社に戻るのも無理なのは明白。


今日は先輩勢も出勤してはいるが、先輩勢も外回りが多い日だとか部長言ってたな〜。


とすれば、対応は新人がするのか?


あの社長は鬼と呼ばれるほど厳しい社長。


けれど契約の話が進んでいたような……


急に心配だ。



_______そんな心配はいらなかった。



Aが、契約も社長の機嫌も取ったらしい。


さすが、オレの後輩。なんて自分で納得して1人でうなずく。


昼休み、廊下で営業部の同僚達が話していた。



「あいつすごいよな。なんだっけ?えーっと

如月?だっけ?」


「あーわかるわ。すげぇよな。」


「顔も可愛くね?俺タイプだわ〜」


「たしかに俺もタイプだわ〜。」


「でも、恋愛経験なさそうだしワンチャン告ればいけんじゃね?」


「いやーお前じゃ無理だろー」


「「「「ぎゃはははははは!!!!」」」」



なんだこいつら。何も知らないくせに。


まるで俺は全て知ってるような言い草だな俺は。


俺だって何をこいつらより知ってるんだろうか。


どこから来たのか分からない苛立ちは不器用な俺には全然隠せなくて。



なんだか気分が悪い。

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設定タグ:センラ , 浦島坂田船 , 月白   
作品ジャンル:恋愛
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月白 - 怠惰さん» ありがとうございます!私情で止まってしまっていますが、是非また更新した際にはお越しくださると嬉しいです(*´˘`*) (2020年3月5日 21時) (レス) id: e032575efe (このIDを非表示/違反報告)
怠惰 - 読みやすくて、面白かったです! (2020年2月29日 20時) (レス) id: 3e94ae8e8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月白 | 作成日時:2019年3月28日 20時

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