ゆるり、ふわり。【狗巻棘】 (ページ10)

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その瞼キログラムページ10

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「あれ、狗巻先輩？」

共有スペースのソファに腰掛ける見慣れた背中に声をかければ、

振り返って微笑んだだけなのに、「Aちゃん」そう呼ばれた気がしたから狗巻先輩ってば不思議だ。

「狗巻先輩も寝付けずですか？」

「しゃけ」

肯定を意味する言葉を発する彼。

「そっか、じゃあ少しお話しましょ」

｢しゃけ｣

この間野薔薇ちゃんとデートした話とか、
任務でみんなが強いすぎておいてかれないようにがんばりたいとか、
みんなできのこの山とたけのこの里どっちが好きか談義したときの話とか。

そんな他愛のない話をにこにこと相槌をうちながら聞いてくれる先輩。あぁ、幸せだなあ。

ゆるりとした空間に、瞼が重たくなってきて、ゆっくりと目を閉じる。

｢じゃけっ？！(Aちゃん？！！)｣

｢スリープモードです、、｣

｢おかか？！(起動して？！)｣

狗巻先輩の肩に寄りかかったが最後。
ぽかぽか体温とやさしい柔軟剤の香りに包まれて、眠りについた。

翌日、通りがかった先輩たちと一年生みんなにより写真撮影が行われたとか行われなかったとか。

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