ゆるり、ふわり。【狗巻棘】 (ページ14)

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こんな夜は2人でページ14

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「今日は絶対狗巻先輩と寝るマン！！！」

「すじこ？！」

なぜかと言うと、一人ぼっちでさみしくなってしまったから。なんて、子供みたいな理由で今日も狗巻先輩を困らせてしまう。

「しゃけ、ツナ、ツナ(俺は別に構わないけど、Aちゃんは俺でいいの？？)」

「狗巻先輩がいいんです！！！」

先輩といると安心するし、いい匂いだし、絶対安眠できる。。それに今日は絶対誰かといたい気分だ。

「しゃけ、高菜？(いいよ、けど大丈夫？)」

「何がです？」

「ツナ(泣きそうな顔してる)」

「・・・バレました？」

今日、初めてヒトをあやめてしまった。

家入さんには「キミが言った時点であの子はもう助からなかった。キミがころしたんじゃない、そのあたり、履き違えるなよ」なんて言われたが、まだとても消化できそうになかった。

ボロボロと出てくる涙を、先輩は拭うことはせず、ただひたすらに話を聞いて最後は黙って抱きしめてくれた。

呪術師なら誰もが通る道。
だけど避けて通れるならばこんな道通りたくなかった。
先輩だって経験したことがあるのだろう。抱きしめた腕は優しく、だけど力強い。

「今日はとても眠れそうにないです」

「しゃけ、ツナマヨ、高菜(明日も任務だよね、一緒にいて落ち着くなら朝まで一緒にいよう)」

ふにゃりと微笑んだその顔は、いつもと違って男らしく見えて。横になってからも私が眠れるまでずっと頭を撫でたり背中を摩ったりしてくれたりして。

・・・わたしこの人に惹かれているかもしれない、なんて不意に思ったのだった。

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