Triangle【名前固定オリジナル】

2話〜涙を流す少女は過去を見る〜 ページ8

これって、現実なのかな

猫の耳と尾がついている少女が目を輝かせて私のほうを見ている。

＿＿なぜか一緒に着替えながら。

さっきまでボロボロの服を着ていた私とはとは違って

ずっときれいな服を着ていたはずだ。

なのになぜ着替える必要があるのだろうか。

「きゃ〜！ちょー可愛いじゃん！ボロボロの服着たらせっかくの可愛いお顔が台無しだよ！」

......そんなこと言われたって......

起きたら見たことない森の中でボロボロの服を着てたのに、

知る訳ないじゃん。

あれ、起きる前って何してたかな。

あれは確か......



「......」

部屋でぬいぐるみ作ってた時だっけ。

全く行っていない学校から電話がかかってきて、

何かと思えば

「全く来てないんだから、卒業式くらい来いよ」

というだけの先生の言葉だった。

正直どうでもいいんだけど。

だって一回もあったことのない人たちとやったところで楽しくないし。

それに、あっちからしても迷惑だ。行く必要がない。

誰一人私のことを分かろうとしてくれない。

分かろうとしてくれた人なんかお姉ちゃんしかいなかったもん。

あぁ、なんでお姉ちゃんいなくなっちゃったんだろう。

お姉ちゃんじゃなくて私のほうが

＿＿＿いなくなったほうがいいと思うんだけど

もう息を吸いたくない。

呼吸をしたくない。

心臓を動かしたくない。

ならいっそのこと全て止めてしまおうか。

そしたら大嫌いな親にも会わずに済む。

そしたら人と付き合いをせずに済む。

......でも、そうすると

お姉ちゃんとの約束破っちゃうな。

死にたい

けど死にたくない

その二つの思いが頭を駆け巡っていた。

酸素を吸い、二酸化炭素を吐く。

その呼吸を荒く繰り返し、

もうだめだと思った。

その瞬間どこからか誰かの声が聞こえた気がした。。



『ようこそ』

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